羊肉湯(ヤンロウタン)

『王牌羊肉海産店』の骨付きラム肉の当帰スープ(80元)。ラム肉は骨からホロリと外れるほど柔らかい

台湾人はラム肉好きだ。1年間に食べられているラム肉はおよそ2万トンあまり。輸入に頼るところが多く、国内生産は全体の1割程度だが、そのほとんどが中南部に集中している。

高雄では南部で飼育された新鮮な台湾産ラム肉が手に入りやすいため、特にラム肉好きが多いと言われる。

高雄の下町、鹽埕(イェンチェン)にラム肉と海鮮の専門店「王牌羊肉海産店」がある。店頭には魚介類が並べてあるのだが、この店のウリはとろとろに煮込まれた骨付きラム肉のスープだ。

当帰を使った漢方風の味付けだが、クセがなく飲みやすい。骨の周りのラム肉の濃厚な旨味もたまらない。もちろん、シーフードも豊富なのであわせて注文したい。

 

王牌羊肉海産店(ワンパイヤンロウハイチャンデェン)
高雄市新興街75號 TEL:07-5322221
17:00~25:00頃 不定休

 

香腸(シャンチャン)

『新大港大腸香腸』の屋台はガジュマルの木が生い茂る境内に登場する。女将さんが屋台を出したり、片づけたりする様子も見もの

日本でも台湾系の中華料理店にはかならずといっていいほどある香腸(腸詰)。台湾式に生ニンニクやパクチーといっしょに食べると病みつきになる。

台湾では肉が詰まった弾力のある腸詰のほかに、もち米や煮込みピーナッツを詰め込んだ糯米腸(ヌオミーチャン)と呼ばれる腸詰も存在する。

夜市などの定番屋台フードだが、日本人なら腸詰をかじりながらビールをぐいっとやりたいところ。そんな飲ん兵衛にうってつけなのが高雄の「保生大帝」という廟の境内に現れる「新大港大腸香腸」という屋台。

午後2時頃から屋台が登場し、売り切れるまでの営業。週末や祭日などは早々に売り切れてしまうので早めに訪れたい。

この境内にはジョッキの生ビールを出すオープン形式の食堂もあり、持ち込みにも大らかなので、廟の境内で生をぐいっとやりながら腸詰を頬張ることができる。

 

新大港大腸香腸(シンダーガンダーチャンシャンチャン)
高雄市十全一路52號 TEL:なし
14:00~20:00頃(売り切れ次第終了) 第2・第4月曜休

みつせ のりこ:90年代から台湾と関わり、台北で留学や就職、結婚や子育ても経験。現在は執筆や通訳、取材コーディネートの仕事で日本と台湾を往復している。著書に『台湾の人情食堂 こだわりグルメ旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾縦断! 人情食堂と美景の旅』『台湾一周!!途中下車、美味しい旅』など。株式会社キーワード所属。