うつ病と診断されている人が100万人を超えました。心療内科や精神科に通っている人だけでこの数字ですから、実際にはその数倍の人が苦しんでいるのではないでしょうか。
うつになると、気力の減退・焦燥感・不安感などや、体の調子が悪くなり、仕事を休職しなければならなかったり、家事ができなくなったりします。趣味も楽しいと思わなくなり、生きている感覚が失われます。それに絶望して自ら命を絶ってしまう人も多数。何とかしようと病院に行くと、よほどよい先生にあたらない限り、うつ病の薬を渡されて終わりという例が大多数です。
確かに薬は効いている間は効果がありますが、対処療法に過ぎません。薬はうつ病の原因といわれている脳内ホルモンを一時的に増やしたり、利用効率を上げる効果はありますが、心を安定させる脳内ホルモンのバッテリーにとりあえず電力(ホルモン)を一時的に供給しているだけで、心のバッテリー自体を治す効果はありません。つまり、充電(貯める)→放電(使用する)→充電(貯める)のサイクルを復活させなければ、うつ病は治らないということです。
薬を処方より多く服用したりすると、ますます心のバッテリーは悲鳴を上げて、「壊れているのに、なんで無理に押し込もうとするの…」と悲鳴を上げます。
うつ病で会社を休職してじっくり休んだけど回復しないという人が多いのは、この心のバッテリーが壊れたままだからです。休んでストレスから解放されて、すこしだけ自家発電機能(脳内ホルモンの体内生成機能)が回復しても、貯めるバッテリーが壊れている状態では、当然低レベルしか回復しません。そしてストレスを受けると、またすぐにバッテリーが空になってしまい、うつ状態になってしまうのです。
糖分(糖質)はうつ病の敵か?
人間の体はすべて口から入った食物・飲物が原料になります。脳内ホルモンの原料となる口から入った食物・飲物が原料になります。アミノ酸はすべて体内で合成されるものもありますが、その合成の原料もとうぜん食物、飲物です。
昔、脳の唯一の栄養源はブドウ糖というCMがあり、砂糖を摂りましょうと宣伝していました。しかしそれはすこし間違い。タンパク質や脂肪も体内で分解されると、ブドウ糖を生み出します。砂糖を摂りすぎると、血糖値が急上昇した結果、脳が緊急的に多量のインシュリンを分泌します。そして血糖値を急激に下がった結果、低血糖状態となり、眠たくなったり、やる気がなくなったりします。
実は低血糖状態では、血糖値を回復させようと、本来はストレスに出会ったときにどう対応するか判断するホルモンのノルアドレナリン(感情を司る脳内ホルモン)が分泌されるため、ストレス状態にないのに、焦燥感がでたり、軽いパニックに陥ることがあります。そしてストレスを感じたときに、本来出るべきノルアドレナリンが、供給不足となり、判断力低下・ストレスを解消できないといった、まさしくうつ病の症状が出てきます。原因はあきらかで、やる気や正しい判断を司るノルアドレナリンが、血糖値を低下させるために使われてしまい、本来の分泌タイミングで不足状態となってしまうためです。