心から携われてよかった、と思える作品

撮影/杉映貴子

――今回はパルクールチーム内のチームワークもひとつの要素かと思うのですが、いろんな現場に行かれた際に、コミュニケーションの取り方で気をつけていらっしゃることはありますか?

そこまでは意識していないんですけど、自分がどういう立ち位置でその作品に携わるかにもよると思うんですよね。臨機応変に現場によって変えているというのはあると思います。

でも、僕はあんまり深く入りすぎないかな。その現場が終わってから深く仲良くなることはあるんですけど、現場中は一定の距離を保つタイプの人間かな、と最近思っています。

――それはお芝居に影響するから……とかですか?

特に理由はないですけど、あんまり器用なタイプじゃないから。みんなと深く仲良くなって作品を、というふうにはできないのかも。わかんないですね、日々変わっていきますし。

――チームとして理想の形はありますか?

お互いを尊重して、それぞれがストレスなく、自分らしくできるかじゃないかな、と思います。

撮影/杉映貴子

――主演として現場に入られることも多いかと思いますが、そのときに意識されることはありますか?

作品の内容にもよりますね。同年代がいるかいないのか、とかにもよりますけど、この作品よかったな、楽しく帰ってほしいな、と思うぐらいです。

――個性豊かな方がいらっしゃる中で、まとめることを意識されたり……。

しないです。そんな立場にないですから(笑)。もちろん、自分が主演で全員が年下となったら、引っ張っていかなきゃという意識は芽生えますけど、まだ自分が一番年上という現場はないですね。

――最後に、作品を観てくださる方に注目してほしいポイントなどあればお聞かせください。

もう、観てもらえるか、観てもらえないかの差かな、と思います。観てもらえればわかると思うんですよね。着眼点も違うし。

今回観て思ったのが、アニメは実写の作品よりももっともっと表情が細かいところが見えたり、逆に見えなかったり、本当に想像できる幅が広いと思います。だから、あんまりここを観てほしい、というのは言えないですね。

どうやってこの作品を観てもらおうかって考えたときに僕が言えるのは、本当に僕自身が携われてよかったな、と心から強く思えた作品だということ。もうその言葉に尽きますね。

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スタイリング/Kyu(Yolken)

大阪府出身。大学卒業後、フリーランスのライターとして執筆活動を開始。ゲームシナリオのほか、インタビュー、エッセイ、コラム記事などを執筆。たれ耳のうさぎと暮らしている。ライブと本があったら生きていける。