観ていただける機会が増えるというは素敵

撮影/小嶋文子

――改めて、本作を通して得たものはありますか。

実力のある皆さんのお芝居を生で見れたことで、「こういう方法もあるんだ」ということに気づけたり、引き出しが増えたと思います。

それから、僕はこれまで映像作品をこんなにがっつりやったことがなかったので、舞台とは違う映像ならではの出来事はいい経験になりました。動き過ぎたり、声を出し過ぎてはダメとか、絶妙な塩梅を知ることができました。

より映像作品が楽しいと思えるきっかけになりましたし、そういう意味ですごくいろんなものを得られたと思います。

そして、堤さんに褒めていただけたことが何よりの自信になりました(笑)。ただそれに慢心せず、社交辞令だと思って、それぐらいの気持ちでこれからも頑張れたらいいなと思っています。

――堤さん、「オーディションを勝ち抜いてきた理由がわかった。集団の中で存在感を出すことが天才的にうまい。逸材!」とコメントされていましたね。

うれしかったです。直接言われてはいないのですが、こういうコメントであったり、他の方が「裏でこういうことを言ってたよ」とか、教えてくださってうれしかったです。

撮影/小嶋文子

――今後、こんな作品をやってみたいという希望はありますか。

今回のパックみたいな役は楽しかったのでもっとやってみたいですね。あとは青春ものとか、学園もので、主人公の親友ポジションみたいな、賑やかしみたいのもやりたいです。

――先ほどおっしゃった改めて感じた映像作品での楽しさとは?

舞台は稽古があって、本番中も回を重ねるごとに成長していきますけど、映像は良くも悪くも一発勝負ですよね。

それから、限られた時間の中で撮影をするから、物語の頭から順番に撮っていくわけでもないので、このシーンの自分はこういう状況で、だからこういうふうな心境で、とかも考えておかないといけない。難しさもあるけど、面白さも感じました。

あとは、お客さんが観やすいというのはありますよね。舞台は時間をかけて、お金を払って、その場に来ないと観れないですけど、ドラマだったら家でお金もかからず観れますし、映画でも、舞台と比べると劇場も多いし、観やすいですよね。

そうやって自分が作ったものを観ていただける機会が増えるというは素敵だなと思います。ただ舞台にはそこにしかない生の熱量があって、それが素敵だと思うので、僕としてはどちらも続けられたらうれしいです。

撮影/小嶋文子

――本作はそんな舞台の裏側まで見れるみたいな、舞台と映画のおいしいとこどりみたいな作品ですよね。

いいところをぎゅっと凝縮しています。それに稽古とか、楽屋のシーンとか、普段の舞台では見られないようなところも見せているので。やってる僕らからしたら普通のことで、何の違和感もなくやってましたけど、それを観てくださるお客さんには新鮮に映るんじゃないかと思います。


「人当たりが良さそうと言われることが多くて」と照れながら語っていた三浦さんですが、まさにその言葉の通りの好青年という印象で、インタビューも写真撮影も笑顔で応じてくださり、和やかな雰囲気となりました。

そんな三浦さんが演じる山井は、ご本人とも重なるところもあるようですが、物語の後半では「えっ! えっ! どういうこと?」と声に出したくなる怒涛の展開の中心人物となっていきます。劇中劇で演じる妖精パックでの変貌ぶりも含め、三浦さんのふり幅の広い演技は必見です!

作品紹介

映画『ゲネプロ★7』
2023年4月21日(金)全国ロードショー