同じ「iPhone 4S」、ドコが違うの? <2>キャリアメールの対応アプリと絵文字

2011.12.29 17:3配信
iPhone 4Sでも、おなじみの「絵文字」が利用できる

アップルのスマートフォン「iPhone 4S」は、国内ではソフトバンクモバイルとKDDIの2社が販売している。量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、10月14日の発売から60日間の「iPhone 4S」の販売台数は、前機種「iPhone 4」の2.24倍。およそ1年3か月にわたって売れ続けた「iPhone 4」の初動を大きく上回り、スタートは好調だ。今回は、「海外」をキーワードした第1回に続き、「iPhone 4S」のソフトバンクモバイル(SB)版とKDDI(au)版の「違い」を見ていきたい。キーワードは、携帯電話に欠かせない「絵文字とメール」。iPhone以外の携帯電話ユーザーにはあまりなじみがないと思われる「SMS」と「MMS」の違いについても解説する。

●SB版とau版の”差”は完全に解消されるわけではない

KDDIは、絵文字・Eメール着信通知機能など、現在、auの「iPhone 4S」で対応していない機能のうち、au携帯電話・他社携帯電話とのEメールでの「絵文字」の利用については2012年1月末までに、Eメール(@ezweb.ne.jp)のリアルタイム着信通知機能、国際SMS、MMS、iMessage、FaceTime、ビジュアルボイスメール、国際ローミング時の事業者選択機能については2012年3月までに対応していくと公表している。

ただ、将来、auの「iPhone 4S」でこれらの機能が利用できるようになっても、採用している通信方式の違いから、SB版に比べ、下り/上りの最大通信速度が遅く、「通話中に3Gデータ通信できない」という制約は残る。単純にスペックだけを比較した場合、SB版が優位な点は変わらない。むしろ、絵文字など機能面の差が解消されることで、実際の通信速度、つながりやすさ、公衆無線LANサービスのWi-Fiスポット数や品質、そして端末価格・料金など、他の要素がクローズアップされ、ソフトバンクモバイルとau、どちらのキャリアを選んだほうがより満足できるのか、「キャリア比較」に拍車がかかりそうだ。

●iOS 5を搭載した「iPhone 4S」は絵文字が充実 どんなアプリでも利用OK!

さて、本題に入ろう。まずは「絵文字」から。モノや記号、気持ちなどを「絵」で表現した「絵文字」は、携帯電話のメールには欠かせないもの。世代を問わず、愛用している人は多いだろう。

絵文字は、キャリアごとにコードが異なる「機種依存文字」なので、当初は同一キャリア間のメールでしか表示できなかった。しかしその後、各キャリアとも相互に絵文字変換機能を実装し、異なるキャリア間のメールでも、おおむね表示できるようになった。業界標準のUnicodeでも、2010年10月策定のUnicode 6.0から一部の絵文字が収録され、iOS 5を搭載した「iPhone 4S」の場合、Unicode 6.0での絵文字表現を内蔵絵文字で表現し、メール、Twitter、メモなど、ソフトウェアキーボードから文字を入力できるアプリなら、どのアプリでも絵文字を入力・表示できる。

例えば、「ケーキ」と入力すると、変換候補の一つとして「ケーキ」の絵文字が表示され、「えもじ」と入力すると、さまざまな絵文字がまとめて表示される。さらに、事前に設定画面の「各国のキーボード」から「絵文字」を追加しておけば、絵文字しか入力できない、専用の「絵文字キーボード」が現れる。実は、iOS 4以前は絵文字を入力できるアプリに制限があり、iOS 5のように、どのアプリでも使えるわけではなかった。200以上の新機能を搭載し、機能を改善したというiOS 5の隠れた進化ポイントといえるだろう。もちろん、iOS 5にバージョンアップすれば、iPad、iPod touchでも同様に絵文字を利用できる。

ネット上の口コミ掲示板などには「auのiPhoneは絵文字が使えない」と書き込まれているため、なかには勘違いしている人がいるかもしないが、auの「iPhone 4S」は、現時点でも絵文字を使うことができる。メールアプリを利用し、絵文字入りのメールをauの「iPhone 4S」以外の携帯電話宛てに送った場合、絵文字の部分が化けてしまうだけだ。メッセージアプリ(SMS)なら、送受信ともOK。しかし、最も使用頻度が高いと思われる@ezweb.ne.jpアドレスのEメール(キャリアメール)で事実上使えないために、使い方によっては非常に不便なようだ。

前述の通り、2012年1月末までに、iPhone以外のau携帯電話、他社携帯電話とのEメールの送受信でも、絵文字を利用できるようになる予定。とはいえ、「絵文字」以外の機能の具体的な対応時期は依然としてはっきりしておらず、実際にすべての機能に対応するまでは、「au版は機能制限版」というネット上の批判は、残念ながら完全には否定できない。

●iPhoneを理解するポイント、「SMS」と「MMS」、「メール」の使い分け

従来型の携帯電話からiPhoneに買い替えた場合、人によっては大いにとまどう機能が「メール」だ。携帯電話のメールの種類には、「SMS」と「MMS」があり、キャリアが提供するメールアドレス(キャリアメール)は「MMS」に該当する。SMSとは、携帯電話番号を宛先として、最大全角70文字までの短いテキストを送信できるショートメッセージサービスのこと。2011年7月13日から、SMSの事業者間接続が開始され、現在は異なるキャリア間でも送受信できる。MMSとは、iモードメールに代表される携帯電話用のメールアドレスを指す。

このほか、iPhoneを含むスマートフォンでは、一般的に端末にプリインストールされているメールアプリで、Gmailやプロバイダから提供を受けたPC用のメールアドレスなどを好きなだけ設定し、利用することができる。例えば、仕事で使用しているメールアドレスをiOS標準のメールアプリに設定すれば、いつでも業務に関するメールをチェックできて効率的だ。セキュリティの問題はさておき、このメール設定の自由度こそ、スマートフォンと従来の携帯電話との違いであり、人気の要因だといえる。スマートフォンは携帯電話でなくPCに近いもの――「手のひらに乗る小型PC」と呼ばれる理由の一つもここにある。

SB版iPhoneを新規で購入すると、キャリアから、MMS向けの「○○○@softbank.ne.jp」というアドレスと、メール向けの「○○○@i.softbank.jp」の二つのアドレスが提供される。さらに、「iCloud」を設定すると、好きなメールアドレス(○○○@me.com)を一つもらうことができる。SMS/MMSは、iOSデバイス間でメッセージや写真をやりとりできるiOS 5の新機能「iMessage」の機能を含んだメッセージアプリ(iOS 4までの旧名称「SMS/MMS」)で、メールはメールアプリを利用する。

ソフトバンクモバイルのiPhoneユーザーに聞いて回ったところ、ふだんは@softbank.ne.jpのアドレスでメッセージアプリを中心に使っていると答えた人が多かったが、@i.softbank.jpのアドレスを含め、送る相手や人数など、状況に応じて複数のメールアドレスを使い分けているそうだ。例えば、飲み会などのイベントの参加者全員に、日時や集合場所などを記した同じ内容のメールを一斉に送りたい場合、受信拒否される可能性の高いPC用のアドレスではなく、@i.softbank.jpのアドレスで、宛先(TO)/CC/BCC欄のあるメールアプリから一度にまとめて送信できて便利だという。

一方、auの「iPhone 4S」では、キャリアから提供された「○○○@ezweb.ne.jp」のメールアドレスを、iOS標準のメールアプリで利用する。au携帯電話では「Cメール」と呼ばれるSMSは、SB版と同じく、メッセージアプリを利用する。ただし、現時点では「iMessage」には対応していないので、iPad、iPod touchユーザーとはメッセージをやり取りできない。

「絵文字」に次いで批判が多かった「メールを15分間隔でしか自動受信できない」というau版の制約は、メール全般ではなく、@ezweb.ne.jpのキャリアメールに限った話。iOS標準のメールアプリでは、受信方法として、サーバーからメールを自動受信する「プッシュ」と、定期的または手動で受信する「フェッチ」のどちらかを選択でき、手動受信ならいつでもリアルタイムにメールを受信できる。従来型の携帯電話はリアルタイム着信が当たり前だったために、実用上はあまり問題なくても批判が集まってしまった。この点を改善するため、KDDIでは、「Eメール(@ezweb.ne.jp)のリアルタイム着信通知機能」に2012年3月までに対応するとしている。また、当面の回避策として、サポートページで、@ezweb.ne.jpのメールを「iCloud」のメールアドレス(@me.com)やGmailなどのリアルタイムに受信できるメールアドレスに転送し、そのメールを自動受信する方法を挙げている。

現在、対応していないiMessage、MMSに対応する際に、現状のau版「iPhone 4S」の「キャリアメールをメールアプリで送受信する」仕様が変更になる可能性もあるが、今のところ、au版とSB版のメールに関する最大の違いは、キャリアが提供するメールアドレス数と、利用するアプリの違いにあると覚えておこう。メールアプリより、対話形式で会話が表示される「メッセージ」のほうがおおむね好評のようだ。

●携帯電話の基本、キャリアメールの対応アプリの使い勝手を気にしよう!

iPhoneをはじめとするスマートフォンでは、前述の通り、PC用のメールアドレスを自由に設定できるので、キャリアメールは使わず、PC用のメールアドレスだけを使ってもかまわない。ただ、携帯電話用のメールアドレス宛てにPC用のメールアドレスから送信すると、ドメイン受信拒否設定のために届かないことが多く、引き続きキャリアメールを使い続ける人が多いようだ。

「SMS」と「MMS」、さらに「メール」の使い分けは、Android搭載スマートフォンにも共通するスマートフォンの使いこなしのポイント。iPhoneに限らず、スマートフォンを従来のケータイの延長線上で使いたい人は、お目当ての機種で、キャリアメールがどのアプリでどんな感じで表示されるのか、またアプリはどんな使い勝手なのか、できれば購入前に確認しておきたい。(BCN・嵯峨野 芙美)

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