「メンタル面は早めに集中し過ぎてもダメなので、徐々に上げていくといいですね。

合宿が始まると、どうしても必要以上に力を入れてしまう。練習はしっかりやるべきですが、それ以外の日常では抜くところは抜いたほうがいい。切り替えが大切です。普段のコンディションは良くても、ゲームにおけるコンディションやメンタルはプレッシャーが全然違うので、そこをいかに克服するかが大事だと思います」

さらに、W杯で結果を出すために本番直前のチーム作りで必要なこととして、“チーム内での競争”と“控え選手たちの覚悟”を挙げた。

「誰もが試合に出たいのは当然のこと。監督はマネジメントとして競争を煽るべきで、それがないといい形で(本番に)入っていけません。でも、どこかで監督は決断をし、選手はその決断を受け入れなければならない。自分が思っているような大会にはならないかもしれないという覚悟も必要です。一番大事なことはチームが勝つこと。その気持ちの整理がついていると、チームとして戦えると思います」

選ばれた23人のうち、一般的には大久保嘉人の日本代表選出がサプライズとされている。

しかし、宮本氏は「大久保選手は選ばれると思っていましたが、むしろ細貝(萌)選手が外れたのは驚きだった」とのこと。

さらに大久保については「サイドMFもできる選手ですが、去年と今年のパフォーマンスを見ているとストライカーとして開眼した感じがします。それを活かすには1トップで起用したほうがいい。相手に与える恐怖感も違う」と高く評価。

ちなみに理想のスタメンでは「ボールを受けて時間が作れ、セットプレー時の守備でも高さが有効になる」ということで、大迫勇也の名も1トップ候補に挙げた。

また、試合の立ち上がりの悪さや、主力のケガを指摘される守備陣については、元代表DFリーダーとしての経験から大きな心配はしていないと言う。

「相手にプレッシャーをかけるところの意思統一をしっかりすれば、守備のマインドが高くなる。レベルの高い選手が集まっているので、(立ち上がりの悪さは)改善できると思います。

センターバックはプレースタイルよりも、サッカー観が似ている選手同士の組み合わせが合う。まだ1カ月は競争があるので、誰が出るのかわからない状況のほうがいい。ケガ人の回復も重要ですが、大事なのは連携面。W杯の試合中は声を出しても届かないので、お互いの動きがわかっているほうがプレーしやすい。声を掛け合うことや、守備ラインの上げ下げの確認は短期間でできるので、細かいところを合わせていけば、強固なディフェンスラインは作れると思います」