――2014年6月4日発売の新曲について伺いたいのですが、両A面ながらまったくおもむきの異なる仕上がりとなっていますが、10周年にちなみ、まず『普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?』の歌詞を初めて見たときの感想はいかがでしたか?

菅谷「正直、びっくりしたというのが本音ですね。タイトルもすごくインパクトがあるし、これは自分たちにしか歌えないなと思いました。あと、つんく♂さんが歌詞を書いてくれたはずなのに、私たちの思いがまるまる本当に詰まっていて、『何で私たちの気持ちをこんなに分かるんだろう』という驚きもありましたね。もうみごとに言い当てられていた感じでした」

――もう1曲の『愛はいつも君の中に』については、どういった印象を受けましたか?

菅谷「イントロがまず『水戸黄門』のオープニング曲みたいだなと思いました。曲調もミュージカルのように壮大なんですが、ダンスも特徴的なんですね。初めにダンスの先生から『顔でもきちんと表現して』と言われたんです。振り付け自体はそんなに難しくはないんですが、表情をフレーズごとに細かく付けなくてはいけないので、四苦八苦した部分もありました」

――ふたたびグループの話に戻りますが、菅谷さんにとって、キッズ時代から数えると12年もいっしょに過ごしてきたBerryz工房とは何ですか?

菅谷「第二の家族であり、恋人のような存在です。当たり前にいる空気みたいな存在ではあるんですけど、会ってないと不安をおぼえる瞬間もあるんです。二日、三日と会ってないだけで、一ヶ月以上会っていないような寂しさもわきあがってくるんです。もちろん会えば『あぁ』みたいにふつうに接することができるんですけど、不思議な感覚ですね」

――家族と恋人という対比がおもしろいですね(笑)

菅谷「メンバーのちょっとした仕草にキュンとしたり、ふと『かわいいな』と思う瞬間がメンバーそれぞれに対してあるんですよ。特に、まあさちゃん(須藤茉麻)がショートカットにしてから、男の子っぽくなったので恋人みたいに思うときもあります(笑)」

――初めにそれこそ末っ子として入ったのもあり、印象としては他のメンバーが”お姉さん”のようにも思えるんですか?

菅谷「そうですね。兄弟がいて、家ではやっぱりお姉ちゃんなのでしっかりしなきゃいけないという思いがあるんですけど、仕事場だと『たくさんのお姉ちゃんがいる』という感覚があったんですよね。だから今でもけっこう甘えています(笑)」

――メンバー全員が大人になった今、5年後、10年後などに向けたBerryz工房の未来像をどう描いていますか?

菅谷「今年『ナルチカ』というライブツアーで各地方のライブハウスに行っていたんですが、ブログで『ぜひ地元にも来て下さい!』といったコメントを多く見かけるので、行ったことのない場所にも足を運んでみたいし、できれば47都道府県をすべて回ってみたいです。

また、さいたまスーパーアリーナでもう一度ライブをやってみたいですね。以前、最年少記録(2007年4月1日 開催、単独公演主催のアーティストの中で「平均年齢13.8才」という記録を樹立)を取らせていただいたんですが、今すぐでなくとも、この先でまたあの場所に戻りたいと思っています」

――最後に、この先また進み続ける中で、10年後もBerryz工房を続けていたいですか?

菅谷「さすがにみんな30代になるとメンバーそれぞれの環境もまた違っているだろうけど、できるものならば続けていたいと思います」

――10年後の「cha cha SING」をぜひとも楽しみにしています(笑)

菅谷「そうですね(笑) 体力がちょっと心配ですけど、やっていたらすごいと思うので続けていければと思います」

――本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございました。

子どもから大人へと変わる中で、メンバーとの関係性、パフォーマンスも変化してきたと菅谷は語っていた。やはりどんなものごとでも“10年”という節目を迎えられるというのは、簡単に成し遂げられることではない。アイドルとしてひたむきに突き進んできたBerryz工房、そして菅谷梨沙子が、今後またどのような変化を遂げていくのか。楽曲やライブなどを通して、その過程にまた注目していこう。

Berryz工房出演
『Hello!Project 2014 SUMMER 〜KOREZO!〜』『Hello!Project 2014 SUMMER 〜YAPPARI!〜』

7/12(土) 福岡サンパレス ホテル&ホール(福岡)
7/19(土) 広島文化学園HBGホール(広島)
7/26(土)・27(日) オリックス劇場 (大阪)
8/2(土)・3(日) 中野サンプラザ (東京)
8/9(土)・10(日) 日本特殊陶業市民会館フォレストホール (愛知)
8/16(土)・17(日) 中野サンプラザ (東京
8/29(金) 札幌市民ホール (北海道)
9/6(土) 仙台サンプラザホール (宮城)

埼玉在住。編集者・ライター・デザイナーなど。制作会社から独立後、フリーランスとして出版物や印刷、Webなどに関わる。守備範囲は、アイドルやアングラ、ガジェットなど。日常すべてが取材をモットーに、寝るとき以外はネタを探すべくつねに目を光らせている。時折、夜の街もフラつく。交通費やチケット代、物販など含めれば、月に数万円使うほどアイドルが好き。30代にして、アイドルを通して“青春”を追いかけている。