松永天馬もアーバンギャルドも、もっともっと気持ち悪くなりたい

――地元で身の丈にあった生活をしている「マイルドヤンキー」という言葉も流行ってますしね。

ヤンキーの人は自分の半生を劇場化させるのが上手いですよね。自分たちの人生をドラマに見立てて、例えば大家族モノの番組とかにしちゃうじゃないですか。
劇場化させるのが上手いっていう意味では今の時代をリードしてる部分はあるのかもしれない。

「リッチになる」「偏差値の高い大学に行く」「好きな仕事に就く」といったかつての物語でアイデンティを満足させることは出来ないしリアリティもないから、日々の生活におけるちょっとした出来事をどんな風に「物語」として再解釈してするか、自分自身を納得させるかという時代になっているのかなって思います。

――今後景気は多少良くなるとは言われてますけど、それが若い世代までに届くことはなさそうですしね。

さっきの「小悪魔ageha」じゃないですけど、「景気が良くなる」という状況があまり理解できないから上手く言えないんですけど、少なくともサラリーマンが1万円札をヒラヒラさせてタクシーを止めるような「バブル景気」はもう来ないですよね、確実に。

――あの時代がおかしかったっていう考え方もできますしね。

逆に言うと、今が普通なんですよ。バブル世代のオッサンは東京オリンピックがもたらすであろうと言われている好景気やバブルの再来に期待して勝手にはしゃいでますけど「バブルは正義」「バブルこそ明るい」という考え方がまず思い込みなんじゃないかと、不況ネイティブ世代の我々はまずそこに疑問を呈したいんですよ!

――音楽業界でも同じ様に40歳より上の「CDバブル世代」の人とは温度差がありますよね。「良い時代」を知っているというのは単なる世代差ですが、根拠もなく「その時代がまた来る」と思っているのは…。

アイデンティティを「バブル」に求めてるんですかね。アイデンティティが揺らいでるから、アイドルのサクセスストーリーにアイデンティファイしてみたり、国家という物語や「イイね」にアイデンティファイしてみたりするのかなあって。

勿論、アーバンギャルドもファンにとっては物語のひとつだと思うんですけど、最終的には「自分自身の物語」をリスナーひとりひとりが描いてほしい。孤独になってもいいから自分自身の基準を自分で定めて欲しい。
「イイね」だったり「国家」であったりアイデンティファイできるものがあるのはいいんだけど、そういうところに依拠し続けるのではなく、自分自身が「国」になることが大事なんじゃないのかな。

既読スルーされることにビビってないで、もう少し孤独を愛したほうがいいんじゃないですか? 死ぬときはみんなひとり、死後の世界は「シェア」できないですからね。

またエヴァンゲリオンの話になって恐縮ですが、旧劇場版が「気持ち悪い」で終了することの意義は大きいですよ。「僕とキミは違うよ」っていう考え方、違和感をこそ大事にしたほうがいい。「イイね」や「シェア」をして、理解し合えることがゴールなのではなくて。避妊具のようにゴム一枚隔てた壁の隙間に愛が宿る。

だから、松永天馬もアーバンギャルドも、ずっと「気持ち悪い」って言われ続けたいと思っています。もっともっと気持ち悪くなりたい。

 

カリ≠ガリ対アーバンギャルド 真梅雨の血闘!!野音に死す!!

6/28(土)日比谷野外大音楽堂
【OPEN】17:30【START】18:00
【チケット】指定¥5,500(税込)
※3歳以上チケット必要

【問合せ】
DISK GARAGE
050-5533-0888
(平日12:00~19:00)

 

THE対決ライブ アイドルvs.ロック~初夏の渋谷頂上決戦~

日時:7月8日(火) 開場 18:00/開演 19:00
会場:duo MUSIC EXCHANGE(東京都)
料金:前売3,500円(税別)
出演:THE ポッシボー / LinQ(姫崎愛未、山木彩乃、伊藤麻希、高木悠未、志良ふう子) / アーバンギャルド / DOMINO88

アルバム『鬱くしい国』発売中

【初回限定盤】(CD+DVD)
TKCA-74110/¥3,241+税
【通常盤】(CD) 
TKCA-74115/¥2,778+税

<収録曲>
1.ワンピース心中
2.さくらメメント
3.生教育
4.君にハラキリ
5.ロリィタ服と機関銃
6.自撮入門
7.アガペーソング
8.ガールズコレクション
9. 戦争を知りたい子供たち feat.大槻ケンヂ
10. R.I.P.スティック
11.僕が世

<DVD内容>
1. さくらメメント(PROPAGANDA VIDEO)
2. さくらメメント 少女たちを踊らせてみた
3. さくらメメント(PROPAGANDA VIDEO SIDE-B)

 

「アーバンギャルド全国ツアー'14~鬱くしい国へ!」

7月11日(金)  横浜NEW SIDE BEACH
7月13日(日)  仙台enn 2nd
7月26日(土)  福岡BEATSTATATION
7月27日(日)  広島並木ジャンクション
8月02日(土)  北海道 Sound Lab mole
8月08日(金)  名古屋E.L.L.
8月09日(土)  大阪梅田CLUB QUATTRO
8月16日(土)  赤坂BLITZ