撮影:大崎聡

【伝説 その3】「海外に興味ないの?」と聞かれ、「飯がまずいから嫌だ」と答えた

当時も欧州のクラブでプレーする日々を夢見るJリーガーは決して少なくなかったが、「あ、これは本当ですね」とあっさり。

「だって、日本食の方が絶対に美味しいじゃないですか! 食事以外の面でも、言葉を含めた環境とか、あっちで生活することが考えられなかった。だから、海外でプレーすることへの興味はまるでなかったですね。飛行機も嫌いだし」と力説。今ではJリーガーの海外進出が珍しくなくなったが、「今でこそ、そういうのもアリなのかなと思わなくもないですけど、仮にもし自分が海外に行っていたら、ここまで長くやれなかったかもしれないし、これでいい」とのこと。

 

【伝説 その4】1999年、J2降格が決まったとき、移籍を考えたが、チームメイトの岡野雅行に「お前、残るよな」と電話で脅されて辞めた

正確には「電話」ではなかった模様。「電話じゃなくて、降格が決まった最終節で、帰りのチームバスの中で言われたような気がします」。さらに「脅されてというのも、ちょっとニュアンスが違うかな」とのこと。

「岡野さんが言っていることは正当だったので。『チームをJ2に落としといて、出ちゃうの?』と言われたので、残りました。でも、あのときの岡野さん、降格が決まる前にテレビとかで『自分は仮に落ちたとしても、レッズに残る』って言っていて、それで実際に落ちてしまって、『みんなが出て行っちゃったら困る』とか思っていたのじゃないのかなあ(笑)」

 

【伝説 その5】車で帰省して練習当日に帰ってくるつもりが間に合わず、風邪を引いたことにしてズル休みをした

撮影:大崎聡

さすがにこれはネット上の噂かと思いきや、「えっ、ちょ、ちょっと待って! なんでそんなこと知っているのですか? そんなこと本当に書かれているの?」と慌てふためく。とりあえず無視して「正しいの?」と問い質すと、「正しいです」と認めた。

「でも、相当昔ですよ。プロ3年目とかかなぁ。まだ結婚していない頃。結婚してからは、そういうところはきちんとするようになりましたから」。当時、チームの指揮を執っていたのは、規律重視のホルガー・オジェックだっただけに、「遅刻して行くくらいなら、いっそのこと……」と考えたらしい。

「この頃のオレ、結構、寝坊とかもあったのですよね。で、オジェックに『帰れ!』って言われて、『帰ります』って言って帰ったこともあります」とさらなる武勇伝(?)を披露してくれた。

 

【伝説 その6】ハーフタイムに監督を差し置いて、ホワイトボードを使ってチームメイトに戦況分析と戦術指示をした

「これは嘘! いくらなんでも、そんなことするわけないじゃないですか!」と強く否定。
その後、「ただ……」と前置きした上で、こう語った。「ハーフタイムが終わって試合に出る選手と監督がロッカールームからいなくなって、サブ組だけが残ったときに、冗談でそういうことをやったことはあります」と白状した。