Googleの「Chromecast」の売れ行きが好調、映像関連機器でシェア6割強を占める

2014.7.17 20:26配信
Chromecast

テレビや液晶ディスプレイのHDMI端子に接続して使う小型のメディアストリーミング用端末「Chromecast(クロームキャスト)」が売れている。米国では2013年7月に発売された製品で、ようやく今年5月、日本でも販売が始まった。価格は税込み4536円。新しいコンセプトの製品をいち早く試したいブロガーやデジタル製品好きなど、アーリーアダプタのマインドをつかんだようだ。

パソコンやスマートフォン、タブレット端末の画面をテレビに映し出すには、例えばHDMIケーブルで直接接続するなど、いくつかの方法がある。HDMIと無線LAN(Wi-Fi)を利用する「Chromecast」の特徴は、専用アプリでWi-Fiにつないでセットアップ(初期設定)を行うと、自宅のWi-Fiネットワークにつないだ端末から、特別な設定なしで手軽に最大1080pの映像をテレビに映しだすことができること、また、Chromeブラウザのタブのコンテンツをテレビにキャストできる点だろう。

Android搭載スマートフォンやタブレット端末だけではなく、iOSを搭載したiPhoneやiPad、Windows/Mac版Chromeでも利用でき、これらの対応デバイスをリモコン代わりにして操作する。「Chromecast」に直接ストリーミングで配信する仕組みなので、テレビにコンテンツを映し出しながら、端末側では別のアプリを実行できる。手持ちのデバイスを使った簡単な操作、マルチデバイス対応、YouTubeをはじめとする対応アプリ・サービス、そして気軽に試すことができるお手頃価格が魅力だ。

動画配信に関しては、YouTube、Google Playムービー、ドコモの「dビデオ powered by BeeTV」、auの「ビデオパス」に対応。これから先、動画共有サイト「ニコニコ動画」や、海外ドラマ・アニメなどの見放題サービス「Hulu」「dアニメ」「バンダイチャンネル」といった主要サービスが正式対応すれば、多くの人のニーズをカバーできるだろう。

●デジタル製品好きの「試したい」ニーズをつかむ?

家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、PC用キャプチャボードやワンセグ/フルセグチューナー、ビデオテープをデジタル化するビデオキャプチャ機器など、映像に関するさまざまな製品を集計対象とするカテゴリ「映像関連ボード(映像関連機器)」の販売台数シェアで、「Chromecast」は、5月は56.2%、6月は65.3%を占め、ダントツの1位だった。「Chromecast」と同じようにHDMI端子につないで使用するアップルの「Apple TV」も上位につけているが、発売から2年以上たっていることもあって、シェアは3~4%台にとどまっている。

「Chromecast」がケタ違いの売れ行きを記録したために、今年5月、6月の映像関連機器全体の販売台数は、長期的な下落傾向から一転、前年の1.5倍以上に増加。6月に至っては、前年同月比271.8%と、大幅増を記録した。メーカー別でも、Googleはアイ・オー・データ機器やバッファローなどのPC周辺機器メーカーを抑え、2か月連続でトップに立っている。

現在、「Chromecast」は、Google PlayとAmazon.co.jp、ビックカメラ、ヤマダ電機など、一部の家電量販店・オンラインショップでしか販売していない。筆者が訪れた家電量販店では、ノートPCコーナーに目を引く大きなポップを立て、レジでカードと商品と引き換える方式で販売していた。

週単位で「Chromecast」の販売台数を集計すると、発売日の5月28日を含む5月第4週(2014年5月26日~6月1日)が最も多く、発売と同時に多くの人が飛びついたようだ。翌6月第1週は、前週の3分の1以下まで下がったが、6月第2週以降は再び増加に転じ、6月中は高い水準を維持した。7月に入って、販売台数は6月より減り、勢いはやや落ち着きつつある。情報に敏感なアーリーアダプタだけでなく、一般層まで普及するかどうかは、ユーザーの口コミと対応アプリ・サービスの拡充にかかっているだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(パソコンの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

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