社長になってやりたいこと

――以前「後輩力」という本も出されてますが、自分が後輩の時と、先輩になってからでは見えてくるものも違いますか?

入江:全然、違いますね。先輩になって分かること、気づくことがいっぱいありますね。後輩を飯に連れて行くようになって、先輩はこんな高い店に連れて来てくれていたのか? とか「あいつ、翌日にお礼のメール来ないな」とか(笑)、タクシー代を出す時のラリー(※「これ使えよ」「大丈夫です」「いいから」といったやりとり)が1回しかなかったとか(笑)。

――いまは立場としては“中間管理職”に近い?

入江:飲むときは僕が一番上で、後輩と飲むのが圧倒的に多いです。そうなると(勘定は)全部僕ですもん(笑)。昼飯だって、楽屋で「行くか?」って言ったらみんな手を挙げるし、6人いたら一人800円でも4800円! そこで先輩よりも高いメニューを頼む奴もいるし、「大盛り」になると料金が変わるのに、何も言わずに大盛りで頼む奴とかいますよ。注意するとおれがケチみたいなので、そういうことは全部本に書いてます(笑)。あとは「急いでる」と言ってる時にそば屋でかつ丼を頼む奴。揚げなきゃいけないだろっ! 飲みの席で、僕がごちそうになる時に注意されたのはソーダ割りを「薄め」で注文するのはやめろってこと。薄いとガブガブ飲めちゃうでしょ? だったら濃いのを頼んで自分で割れと。ウーロン茶ばかり頼む奴も、だったら水でいいだろうとか。あと「おススメで」と注文するのは、金を出す人が言うものだというのは、僕がごちそうされる立場の時に教わりましたね。

――若い頃からのいろんな立場での経験がいまに生きていると言えますね。

入江:でも、難しいのは失礼なコトするのが許されるキャラクターの奴もいるんですよ。そういうことするのがかわいいって。それは距離によりますね。松本さんにしてみたら、僕らは“孫”世代だから、おれがやる失礼なことも笑ってくれたりする。逆に、僕の後輩が今田さんに失礼なコトすると、僕は厳しく怒るけど、今田さんは「何でそんな厳しいんや?」って感じだったり。今田さんとの飲みで寝る奴とか、僕らにしたらありえないけど、今田さんにとっては「それだけ緊張せずに楽しんでくれるのは嬉しい」となったりする。ただ、それは計算でできることじゃないですけどね

――入江さん自身、こうしていろんな繋がりが広がっていく中での最終目標は?

入江:まだ定まってないですが、やはり僕も会社作って、社員を食わしていけるようになりたい。社長になって、同じ夢を持っているヤツらと大きなことしたいって思いはありますね。あとは年に一回「TOKYO IRIE CONNECTION」というイベントをやってるので、そこに向けて何ができるか? 誰を集められるかというのは、いつも考えてますね。

――社長になってしてみたいことは?

入江:何がしたいって言われると分かんないけど、例えば部下に「今日、嫁さんの誕生日だったろ? これでうまいもんでも食いに行けよ」と言ったり、社員旅行でハワイに行って「おれたちもここまで来ちゃったね。みんな、いつもありがとうな」と言ったり(笑)。そういうこと言えるようになりたいですね。