アニソン界に花開いた「二次元アイドル文化」

そしてアイマスをきっかけとして発見されたのが、夢を目指す少女たちと歌を軸においたアイドル作品とキャラクターソング、アニソンの親和性の高さだ。

2012年・2013年にはアニサマ出演をひとつの契機として『ラブライブ!』が大ブレイク。今年は『Wake Up, Girls!』『アイカツ!』のSTAR☆ANIS、『アイドルマスター』『アイドルマスター シンデレラガールズ』『アイドルマスター ミリオンライブ!』、『ラブライブ!』のμ'sが参戦するという形で、アニソン界における二次元アイドル文化が花開きつつある。

そして2010年代に突入しての流れが「作品から生まれたユニット」の継続参戦だ。放送期間中に主題歌やキャラクターソングを歌うだけではなく、その後もCD発売やライブをコンスタントに続け、アニメの2期や劇場版などのさらなる展開につなげていくユニットが生まれ始めた。

2010年より参戦の『ミルキィホームズ』を嚆矢に、2011年の「七森中☆ごらく部」(『ゆるゆり』)と『RO-KYU-BU!』、2012年の「後ろから這いより隊G」(『這いよれ!ニャル子さん』)、ST☆RISH(『うたの☆プリンスさまっ♪』)とその流れは続いていく。

前述の二次元アイドル作品を含め、こうした作品発ユニットが翌年以降に再登場するケースが多いのも、アーティストとして活動の継続性があるユニットが増えていることを示している。
 

アニソンシンガー、声優アーティスト、そして作品発ユニット。時代が進み、アニソンのフィールドが広がるのに合わせてアニサマもまた柔軟に色を含め変え、規模を拡大し続けている。今年のアニサマは昨年に続き、さいたまスーパーアリーナスタジアムモードで3日間開催される。

夢のステージに立つアーティストたちはアニサマと共に歩んできたここ約10年のアニソンの歴史であり、これからのアニソン界を担っていく存在でもある。その年のアニソンの世界そのものを切り取ったステージである「アニサマ」に今年も注目していきたい。

 アニメ・声優関連を中心に活動するフリーライター。アイドルをテーマとした作品や、作品派生のユニットを追いかけることがライフワーク。『アイドルマスター』『ラブライブ!』の主要ライブは全会場にほぼ全通している現場系でもある。