賑わいを見せるスマートフォン・タブレット端末のコーナー

【ドイツ・ベルリン発】1924年に放送技術の展示会としてスタートしたIFAは、時を経て、テレビを中心にしたコンシューマエレクトロニクスの見本市へと発展を遂げた。2008年にホームアプライアンスを取り込んでからは、黒物・白物家電がIFAの主なカテゴリだった。今年のIFAは、スマートフォンやタブレット端末、ウェアラブルデバイスの出展が多く、今後モバイルの世界的なイベントとして進化しそうな躍動感があった。

最も注目を集めたのが、ソニー「Xperia」とサムスン「GALAXY」の頂上対決だ。ソニーは5.2型スマートフォン「Xperia Z3」だけではなく、4.6型の「Xperia Z3 Compact」と8型タブレット端末「Xperia Z3 Tablet Compact」の3機種を同時にフラッグシップのラインアップに追加。今秋から世界市場で順次発売する。「Z3」と「Z3 Compact」は、同時期に日本での発売を予定している。

4K動画撮影やイヤホン端子からのハイレゾオーディオ再生にも対応する高品位コンテンツのサポート力を高めた以外にも、大きなトピックスとして注目したいのが、ゲーム機「PlayStation 4」のゲームをネットワーク経由で「Xperia」にストリーミングして楽しめる「PS4リモートプレイ」だ。当面は最新の「Xperia」だけが対応するので、ユーザーがスマートフォンの買替えや新規購入を検討する際の重要な材料の一つになりそうだ。

サムスンは5.7型のファブレット「GALAXY Note 4」を発表。前面カメラに370万画素のユニットを搭載し、広角撮影性能を高めているので、「自分撮り(セルフィ)」に強みを発揮してくれそうだ。本機に限らず、自分撮りを手軽に楽しむためのセルフィ機能は、今年後半のスマートフォンの新製品が掲げる一つの付加価値になっている。

「Xperia」同様、「GALAXY」もフラッグシップの派生モデルを送り出してきた。本体右側面に曲面ディスプレイを搭載した「GALAXY Note Edge」だ。ふだんよく使うアプリのショートカットや情報を表示するディスプレイとして活用できるユニークなスタイルのスマートフォンだ。

両ブランドとも、ウェアラブル端末の新製品も発表して、ブースのタッチ&トライコーナーは大いに賑わっていた。ソニーの「SmartWatch 3」は、初めてのAndroid Wearを搭載する腕時計型のウェアラブル端末だ。汎用性の高いAndroid Wearのプラットフォームを採用することで、豊富なアプリやサービスをユーザーに提供しながら、カテゴリとしての進化を促していく戦略だ。

サムスンのブースでひときわ注目を浴びていた製品が、ヘッドマウント型ディスプレイの「GALAXY VR」。Oculus VRとの協業によって誕生したウェアラブル端末で、本体に「GALAXY Note 4」を装着して、スマートフォンのディスプレイを活用した迫力のエンタテインメント体験を提供する。実際にその映像を体験してみたが、没入感の高さに驚かされた。対応するスマートフォンが少ないことが惜しまれるが、ヒットの予感がする製品だ。

ファーウェイは、Androidスマートフォンのフラッグシップ「Ascend Mate 7」、中級機「Gシリーズ」の新製品「Ascend G7」を、IFAの開催に照準を合わせて発表した。ともに1300万画素のメインカメラのほか、500万画素の高画質インカメラを搭載し、広角撮影やパノラマ撮影機能を生かしたセルフィまわりの仕様を使いやすくまとめている。

レノボもカラフルなスマートフォン「VIBE Z2」「VIBE X2」を、今秋発売。上位の「Z2」は、5インチのフルHDディスプレイを搭載する。

東芝は、ヨーロッパ向けにWindows 8.1搭載の手頃な7型タブレット端末「Encore Mini」を展示し、普及を図る。LGエレクトロニクスは、サークル状のディスプレイを搭載したアナログ時計感覚で身につけて活用するAndroid Wear搭載のスマートウォッチ「LG G Watch R」を展示し、注目を集めていた。