【AM 9:00】スーパーに買い出し

—— 節子は急がねばならない。
なんとしても、数量限定の大売り出しに間に合わなければいけないのだ。トイレットペーパー、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、サンドペーパーなど、たくさんの物を買う必要がある。
「くそっ……こんなところで手間取ってるわけにはいかないのよ!!」
節子は交差点の渋滞手前でドリフトを駆使し、アスファルトの路面を削りながらUターンした。焦げたタイヤの臭いが鼻をつく。
背後からパトカーが追ってきた。華麗なドライビングテクニックでカーチェイースを繰り広げる節子だが、その額に冷や汗がにじむ。
「このままじゃ……大安売りに間に合わない……っ!」 ——

そんなときは、妖怪ウォッチで妖怪さとりちゃんを召喚しましょう!

家に帰り着くまでのあらゆるルートに存在するあらゆる人間の心を読み、どの道を通って移動しようとしているかをチェック。マップに書き込み、一番空いている道を割り出すんです!

だいたいみんな広くて綺麗な道を通りたがるので、「狭い」「暗い」「怖い」の三拍子が揃った修羅の道を通らなきゃいけなくなるはずですが、そこは平気! 主婦は恐怖なんてものは超越しています。
痴漢が車のボンネットに突撃してきても、最高の筋肉美を見せつけて追い払いましょう。


これで渋滞にイライラする時間(40分)を節約しました!
 

【AM 10:30】ダイエットのためジムのプールへ

—— 「想定外だわ……こんなに混んでいるなんて……」
プールに入った節子は呆然としていた。
前後左右に人がミチミチと詰まっていて、体が外れない。しかも、追加で50人ほどの団体客が無理やり水槽に入ってこようとしており、人口密度は高まるばかりだ。
節子の全身の骨は今にも砕けそうになっていた。
「ダメ……なんとかしないと……圧死する……!」 ——

さあ、妖怪のぼせトンマンを召喚して、一気にプールの温度を150℃まで上げてもらいましょう。

水の沸点は100℃なので、塩をたくさん撒いて沸点を変えておくのを忘れずに。ぐつぐつと煮えたぎるプールから、他のお客さんは全員脱出するでしょう。

それじゃ自分まで熱くてちょっと辛い? 大丈夫、鍛え上げた肉体なら耐えられるはずです! このときに備えて、妖怪のぼせトンマンと一緒に溶岩風呂に入る修行をしておきましょう。

時短成功!
妖怪ウォッチのお陰で、運動ができなくて困る時間(2時間)を節約できました!