vol.2 働き方改革

政府の謀略!? 働き方改革の本質とは

木谷:働き方改革の本質ってわかりますか?

変化が激しい中で、変化対応力は、若い世代のほうが有利。

若い人は体力的にも気力的にも頑張れちゃう。

でもそれをされてしまうと、上の世代は必要なくなってしまうので、ハングリーな若者の動きを制限するための制度です。

逆に言えば頑張りたい人は、労働基準法関係外のところで自分が社長になるなりして、早くから独立しなさいってことですよね。

おじさんとジジイを守るためという、政府の謀略だと考えています。

中村;(笑)それはおもしろい話ですね。

木谷:なんで誰も言わないんでしょうね。何かを気にして言わないんでしょうかね。

頑張れ~って手放しに仕事を頑張れるのって、20~30代前半くらいまでなんですよね。

30代を超えると、子どもの送り迎えがある人もいれば、50歳を超えたら今度は親の介護の問題を抱える人も増えてくる。

中村:確かにそうだと思います。

木谷さん自身がめざす60代というのはあるんですか?

木谷:だんだん体力がなくなりますよ。僕の父親は地方公務員だったんで、定年58歳。

そして僕は今年58歳になるんですけど、自分の父親が定年の年にまたアクセルを踏もうとしている(笑)。

中村:(笑)好奇心は落ちないですか?

木谷:落ちないように時代が変化してくれていますよね。テレビを見る人が減っているとか……そこに新たなチャンスが出てくるわけですよ。

恨みは何もないんですが、銀行だって、入りたくない職業になってしまったし(笑)昔も今もバリューを保ち続けているのって商社だけだと思います。

80年代から輝きが変わってない。

野心家のいい人材を集め続けた結果だと思いますけどね。

やっぱり海外に行かないといけなかったってことだと思います。

日本はね、ぬるい、ぬるま湯もいいとこ。出たくなくなりますよね(笑)

中村:そうですね(笑)

先日シンガポールから戻られたということですが、日本に帰ってきてからどのくらいですか?

木谷:半年くらいです。シンガポールも大概ぬるいとこではあるんですが、それでも厳しさを垣間見ることができました。

常に何かを作り続ける会社でありたい

中村:全体を通してこれだけは貫いているみたいなことってありますか?

木谷:よく言うのは、1から100にする人はいっぱいいる。でも0から1を作れる人は少ない。

多分100対1くらいの差があると思うんですよね。

僕自身もそうでありたいし、会社全体も、何かを作り続ける会社でありたいなと考えています。

例えば新日本プロレスでも、0から1の部分があったからここまで続いている部分もあると思います。

常に自己変革、自己進化していかないといけないと思いますね。

vol.3 新日本プロレス・KNOCK OUT

最近の格闘家にはイケメンが多いのは一体なぜ!?

中村:新日本プロレスは、ブシロードがグループ会社化してからV字回復の曲線を描き始めたと思うんですが、どのような戦略があったのでしょうか?

木谷;リングの中身がよかったので、よりクオリティの高いものを、いかに大勢の人に見てもらうかというところを大事にしました。

編集:昔でいうと男性ばかりでしたが、今は若い女性のプロレスファンも多いですよね。

中村さんもKNOCK OUT好きですよね。

木谷:KNOCK OUT誰が好きですか?

重森陽太

中村:重森陽太くんです。神撃キッカーの!

木谷:彼イケメンですよね。身体もきれいですし。

キックボクサーってイケメン多いと思いませんか?小笠原瑛作くんとか。

小笠原瑛作

中村:そうですよね!だから好きです(笑)。

木谷:昔は「この道で生きていくしかない!」みたいな人が多かったんですよね。

でも今の日本ってハングリーじゃないんですよ。ハングリーじゃないから、飯を食うためにつらい練習をする、努力をするということが難しいんです。

かっこいい人が「俺もっと強くなって、かっこよくなりたい」って思うから強くなれるんです。

要するに格闘家みんなナルシストなんですよね。

中村:なるほど(笑)!

木谷:だからみんな身体もきれいですよね。一物持ってる人がもう一物持つことになる。

かっこいい人が強さまで持ってしまう。

中村:スタートラインがいい人じゃないと目指せないということですね。

木谷:ただ、あらゆる分野がそうなってきているなと感じます。ひとつ持っている人が、二つ、三つ目をどんどん手に入れていく。

飯食っていくだけなら何とでもなる時代ですよね。でも、特化した能力のある人はどんどん力をつけていきます。

特にKNOCK OUTに出ている選手は、KOで倒すっていうのはすごい努力が必要ですよね。

中村:銘打っているだけあって選手みんなが狙っていますよね。

木谷:狙っていますね。

僕は「一番はKO勝ち。二番目はKO負け。三番目は判定勝ち。四番目は判定負け」の順番で良いと思っています。

実力差があんまりない場合、逃げ回っていればKO負けこそしないんですよ。向かっていくからKO負けするんです。

素人考えなので、プロの人たちからしたら、なんだそりゃ?と思うのかもしれませんけど。

中村:でもそれがわかりやすいですよね。

木谷:ファンからしたらわかりやすいのも大事ですよね。

じゃないと横に広がらず、マニア化してしまう。倒し倒されはおもしろいですからね。

WWEから学ぶ、新日本プロレスの今後の展開

木谷:新日本プロレスは今期49億円。過去最高の売り上げとなっています。

世界のプロレス団体で2番目に大きい規模です。一番は、ご存知の通りアメリカのWWEです。

売り上げ比率でいうと20倍ほど。この差は何なのかというと、ほとんど映像に関することです。

アナログの部分だけでいうとそこまで差はないんですよね。映像コンテンツだけがかなり大きく差がついてしまっていますね。

中村:WWEの映像コンテンツで成功されている部分というのは?

木谷:テレビの放映権料などですね。

日本では、まだスポーツビジネス=映像ビジネスが成立していないのがむずかしい。協会にお金が入って下に分配されるのも、上位に行ったら分配金が多くなるような仕組みで、買われているんですよね。

自分たちのやっていることがコンテンツなんだという意識が、全体に少ないと思います。

日本のJリーグは全部あわせて700億円くらいの売り上げくらいですが、クラブチームの一つであるマンチェスターユナイテッドは800億です。

なんでそんなに差が出たのかというと、やはりこれも映像ビジネスで伸びたかどうかの1点だけです。

そりゃ選手も海外行きますよね。

だからプロレスで、同じことをしてはいけないんですよ。

そのためにプロレスも企業規模を大きくすることに焦っているんです。

幸いにもプロレスはそんなにまだギャラの差がありません。

ナンバー1とナンバー2の関係なんで、やるべきことはわかりやすいですよ。

中村:選手のギャラにあまり差がないのは、夢がありますよね。