2月17日(火)から「スカパー!」の海外ドラマ専門チャンネル「スーパー!ドラマTV」にて、人気アクション・サスペンス『ブラックリスト』のシーズン2が放送スタートする。
同作は2013年のシーズン1放送時から全米を熱狂させ、続く2014年放送のシーズン2も他局の大作ドラマを押しのけて視聴者数No.1を記録。1200万世帯を超える視聴者数はあの『24』最終シーズンをも超えている。

『ブラックリスト』の際立った特徴は“犯罪コンシェルジュ”を作中最大のキーパーソンに据えたところだ。

過去20年間にわたって世界中で犯罪者の手助けをし、FBIの最重要指名手配犯にもなっている犯罪コンシェルジュ——レイモンド・レディントン(通称:レッド)。
実力派俳優ジェームズ・スペイダー演じるレッドは大胆にもFBIにみずから出頭し、自身が持つ犯罪者リスト、通称“ブラックリスト”に名を連ねる凶悪犯罪者たちの逮捕に協力したいと驚くべき提案する。ただし協力する条件は、連絡役としてFBI新米捜査官のエリザベス・キーンを自分と組ませること。

エリザベス・キーン © 2014, 2015 Sony Pictures Television Inc. and Open 4 Business Productions LLC. All Rights Reserved.

エリザベスはなぜレッドから指名されたか理由もわからずとまどいながら、犯罪者の頂点に立つ“犯罪コンシェルジュ”の力を借りて凶悪犯罪に挑んでいく……。

まさに「毒をもって毒を制す」のことわざを地で行くようなストーリーだが、これはドラマの中だけだろうか? いや、実は私たちが生活する日本にも犯罪者の手口に精通し、その知識と経験を使って悪人と対峙する人々が存在する。
 

犯罪スレスレ!? 元探偵が語る“裏コンシェルジュ”の世界

今回はそうした事例を知るフリーライターの有沢呉蘭氏から、ちょっとディープな“裏コンシェルジュとしての探偵業”の話をお聞きした。有沢氏は過去に探偵として裏と表のさまざまな業務を経験してきた。とりわけ個人情報の漏洩について詳しく、現在もストーカー殺人事件が起こると、TV局から事件の背景についてコメントを求められることがある。

そんな有沢氏は「あまり大っぴらには言えませんが、探偵が身につけている調査方法には犯罪スレスレ、または明らかに違法なものも含まれています」と語る。

ここで言う犯罪スレスレの調査方法とは、たとえば「尾行・隠し撮り」といった私たちも比較的イメージしやすいものから、「発信器を使った追尾」「身分を偽っての情報聞き取り」「家庭のゴミを回収して中身を分析する」など探偵小説やドラマでしか聞いたことのない行為までが含まれる。

有沢氏によれば「驚かれるかもしれませんが、この程度の調査方法は探偵入門者が読むようなマニュアル本にも普通に書かれています。もちろん知識として身につけるだけで実行しない場合がほとんどですが、“うちは100パーセント合法でやってます”と言いきるような探偵社は逆に信じられませんね(笑)。簡単な素行調査にしても、どこかしら必ずグレーな部分は絡んできますので」とのことだ。

さて、そこで気になるのは、使いようによっては危険な探偵スキルをどうやって正しい方向に活用しているかである。事例をいくつか挙げてもらうことにした。