これまでau(KDDI)のみが提供していた、自宅の固定インターネット回線とモバイル端末のセット割引が、この3月からNTTドコモとソフトバンクでも提供されるようになった。通称「光回線セット割」だ。一方で、主要3キャリアからシニア向けのスマートフォンが出そろい、シニア層にもスマートフォンが浸透しつつある。さらに総務省の調査によれば、自宅でもシニアのインターネット利用は増え続けており、「セット割」の恩恵を受ける人も多そうだ。そこでシニア層でも活用できる「光回線セット割」についてまとめた。

●3月から各社が開始、「光回線セット割」

こうしたセット割で先行していたのがau。「auスマートバリュー」という名称で、auのスマートフォンなどのデータ定額サービスと、「auひかり」やケーブルテレビなどの対象固定通信サービスなどをセットで契約すると、スマートフォンの利用料を割り引くというものだ。NTTドコモも3月から「ドコモ光パック」という名称でドコモのスマートフォンなどのデータ通信定額サービスと光通信サービス「ドコモ光」をセットにすることで、合計金額を割り引く制度を始める。

また、ソフトバンクでも「スマート値引き」というサービス名で、NTTドコモと同じくスマートフォンなどのデータ通信定額サービスと光通信サービス「ソフトバンク 光」などをセットで利用すると割引が受けられるというサービスを3月から開始する。各キャリアで細かい条件や割引額は異なるものの、自宅の光回線とスマートフォンなどのデータ通信定額サービスをセットで契約すると割引が受けられるという点では同じだ。

●シニアにも広がる「家でも外でもネット」の動き

一方、総務省の「通信利用動向調査」によると、シニア層のインターネット利用率は、年を追うごとに拡大しており、「シニアでもインターネット」が、当たり前になってきている様子がよくわかる。シニアのインターネットの利用率は、それぞれの年齢で年を追うごとに広がる傾向が明確。全年齢層では直近2013年の利用率が82.8%だったのに対し、50歳代では91.4%と非常に高い結果になった。また、60歳台前半では76.6%と8割に近く、60歳代後半でも68.9%と7割に近い利用率まで拡大してきている。なかなかインターネットに縁遠そうな70歳代でも48.9%と、ほぼ半数がインターネットを利用しているのだ。

また機器別でのインターネット利用率は、「自宅のパソコン」が最も高く、50歳代で、67.9%とほぼ7割、60歳以上では33.2%とほぼ3分の1が利用していることが分かった。加えて、前年に比べ伸びが大きいのがスマートフォンの利用率。特に50歳代では2012年に20.9%しかなかった利用率が、2013年に33.8%まで拡大している。つまり「家でも外でもネット」という利用スタイルが広がりつつある実態も明らかになったわけで、シニア層も、さまざまな場面でインターネットを活用する時代になった、というわけだ。

●自宅とモバイルの二刀流なら、ダンゼンお得な「セット割」

このように、自宅でもスマートフォンを使って外でもインターネットを使うなら「セット割」が適用になるかどうかぜひともチェックしたい。最近、各キャリアから出そろったシニア向けスマートフォンをきっかけに、これまで自宅でしかインターネットを使っていなかったが、これからスマートフォンもと考えているシニアの方々には、特にオススメだ。

例えばソフトバンクの場合、サービス名は前述のとおり「スマート値引き」で3月に開始される(2月4日から事前受付中)。自宅のインターネットとセットで、iPhoneをはじめとするスマートフォンや携帯電話、またはタブレットを利用すると、2年間、毎月最大で利用料が2000円割引になる。3年目以降も毎月最大で1008円割引される。さらに、ソフトバンクを利用する家族の利用料も1人あたり最大で2年間毎月2000円の割引になるという、おまけもついてくる。

ただし、現在自宅で使っている固定回線が割引対象外の場合は、固定回線を対象の回線に変更する必要がある。とはいえ、フレッツ光を現在利用しているのなら、ドコモ光やSoftBank 光には工事不要で転用できるなど、簡単な手続きで済む場合が多いようだ。家族のモバイル回線対象の割引なども考えると、年間で大きな額の節約になることもあり、ぜひとも「セット割」を積極的に検討したい。