ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ「MW600」

かつて携帯オーディオで音楽を聞いていたという人も、今ではiPhoneやAndroid搭載スマートフォンで聞いているという人が多いだろう。スマートフォンなら、携帯オーディオと同じようにヘッドホン端子にヘッドホン・イヤホンを差し込まなくても、ワイヤレス通信機能「Bluetooth」を活用すれば、ワイヤレスで音楽を聞くことができる。配線から開放されて、快適に音楽やワンセグ音声が楽しめるのだ。今回は、スマートフォンの音楽がワイヤレスで楽しめるヘッドホン・イヤホンの売れ筋ランキングを紹介しよう。

BCNランキングでは、Bluetooth接続ステレオヘッドホン・イヤホンは、通話機能を備えたイヤホンやヘッドホンである「ヘッドセット」に分類している、ちなみに、BCNランキングの「イヤホン・ヘッドホン」は通話機能をもたないアイテムだが、1月時点の実売データでは、Bluetooth接続モデルはソニーのウォークマン専用「MDR-NWBT10N」しか該当しない。今回は、BCNランキングの「ヘッドセット」データをもとに独自集計した売れ筋製品を紹介する。

では、2012年1月の「ヘッドセット」データをもとに集計したBluetooth接続ステレオイヤホン・ヘッドホンデータで、カラーバリエーションを合算したシリーズ別販売台数ランキングトップ5をみていこう。「ヘッドセット」なので、すべての製品がハンズフリー通話に対応する。

1位は、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズのカナル型イヤホン「MW600」で、15.9%。レシーバーにBluetooth機能を搭載し、スマートフォンとワイヤレスで接続する。

「MW600」をはじめ、今回紹介するBluetooth接続ステレオイヤホン・ヘッドホンは、iPhoneやAndroid搭載スマートフォンで「ペアリング」という基本設定をしてお互いを認識させることでワイヤレスでつなげることができる。

「MW600」は、レシーバー部に3.5mmステレオミニジャックを備え、好きなヘッドホンを差し替えることができる。また、レシーバー部にFMチューナーを内蔵し、単独でラジオとしても使用できる。有機ELディスプレイには、着信電話番号、電池残量、FMラジオ周波数、日本語楽曲タイトルを表示する。連続使用時間は、音楽なら約8.5時間。税抜き平均単価は6951円だ。

2位は、ロジテックのカナル型イヤホン「LBT-AVHP05」で、6.0%。1位の「MW600」とは異なり、操作ボタンやスマートフォンとBluetooth接続でつなぐレシーバーはイヤホンに内蔵している。連続使用時間は、音楽で約4時間。カラーはブラック、ブルー、ピンク、レッド、ホワイトの5色で、税抜き平均単価は3590円。

3位は、同じくロジテックのカナル型イヤホン「LBT-MPHP05」で、5.1%。2位の「LBT-AVHP05」と機能は同じだが、あちらがAVコーナーで展開しているのに対して、「LBT-MPHP05」はスマートフォンコーナーで展開しているために型番が異なる。カラーはブラックとホワイトで、税抜き平均単価は3733円。

4位は、バッファローコクヨサプライのカナル型イヤホン「BSHSBE07A」で、4.8%。Bluetoothのレシーバーはイヤホンに内蔵している。すでに生産が終了しており、在庫限りの販売となる。カラーはシルバーとブラック。税抜き平均単価は3124円。

5位は、ロジテックのカナル型イヤホン「LBT-MPHP300」で、4.0%。1位の「MW600」と同じように、イヤホン部とレシーバー部が分離しているタイプだが、イヤホンやヘッドホンの取り替えはできない。レシーバーの背面にクリップを備え、胸ポケットなどに装着して固定する。通話と音楽の再生時間は約7.5時間。カラーはブラック、レッド、ホワイトで、税抜き平均単価は4633円。

トップ5には入っていないが、気になるのが音にこだわったオーディオメーカーの製品だ。オーディオテクニカとソニーの製品を紹介しておこう。

11位に入ったオーディオテクニカのカナル型イヤホン「ATH-BT04NC」は、乗り物内での騒音やエアコンの空調音などを約85%以上低減するノイズキャンセリング機能を搭載。また、オーディオの再生音質を改善し、深く豊かな低音と抜けのよい高域、迫力ある立体音場の「SRS WOW HD」を備える。Bluetoothとノイズキャンセリング機能をオンにしているときの使用可能時間は、最大約8時間。カラーはブラックで、税抜き平均単価は1万1094円。

12位に入ったソニーのカナル型イヤホン「XBA-BT75」は、フラット形状のエアダクト構造によって広帯域で伸びのある音楽再生を実現するバランスド・アーマチュア(BA)ドライバを搭載したモデル。音漏れを約90%低減するノイズキャンセリング機能を備え、周囲の騒音を抑制して音楽をクリアな音質で再生する。電池持続時間は最大3.5時間。付属の充電式電池内蔵型キャリングケースで最大約2.5回分のフル充電ができる。カラーはブラックで、税抜き平均単価は1万6263円。

BCNランキングでBluetooth接続ステレオヘッドセットの伸び率をみると、台数・金額ともに、概ね前年比2ケタ増で推移している。今年1月は、台数ベースで134.3%、金額ベースで115.0%。今、まさに急成長中のアイテムだ。大型の家電量販店では売り場を拡張しているので、ぜひチェックしてほしい。この春は、スマートフォンをワイヤレス化して音楽をアクティブに楽しもう。(BCN・田沢理恵)

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