「ぼーっとする」行為は実は相当難しい!

思いきり涙を流して心がスッキリした後は、いよいよ呆活です。「現代人は常に頭を使っていますし、スマホやPCが普及したことで、脳が疲れきっている状態」と寺井さんは指摘します。意識してただひたすらぼーっとする呆活では、脳をリフレッシュさせることができるそう。

5分間の呆活は無音で行いました。やはりぼーっとすることに不慣れだと、さまざまな雑念が湧き出てくるため、想像以上に難しい……。5分という時間が非常に長く感じられましたが、できる限り頭を休めようと意識しました(意識している時点で良くない!?)。

個人的に感じた感想・効果としては、抱えていた悩み事やモヤモヤしていることが(一瞬)吹き飛び、脳内がわずかにクリアになったような気がします。

日々頭を回転させ続けるだけで、何のメンテナンスもしないと、疲れるのは当然。お肌を手入れするのと同じで、頭を少し休ませることもセルフケアの一貫なのだと感じました。

涙活後は集中力が上がる! 呆活とセットでやってみよう

呆活を皆で実施した感想を寺井さんに尋ねると「前のプログラムで皆さんがしっかり泣けたことで、放心状態に入りやすかったのではと思います。よく泣いていた方ほどよくぼーっとできている印象がありました。やはり泣くと集中効果が高まりますので、涙活と呆活をセットにするのが良いですね」とのこと。

その後の交流会では、呆活について活発な意見交換が行われました。とくに多かったのは、筆者と同じく「ぼーっとするのはなかなか難しい」という意見。「いざ実行してみるといろいろな考えが浮かんできてしまい、ぼーっとするのがこんなに難易度の高いことだとは想像していなかった」と語る人も。

一方で、「一日PCと向き合っていて、頭を休める機会がなかったけれど、ぼーっとする機会を作るとリフレッシュできて良い」「情報過多の中で生きていると、大事な案件を忘れそうになることもあるが、呆活をすると必要な情報だけが浮き彫りになって良い」なんて声もありました。

心と頭をリフレッシュさせる涙活と呆活。慣れると10分程度でできます。毎日でも1週間に1回でも良いので、習慣化してみるのも良いかもしれません。

寺井広樹さん
1980年、神戸市生まれ。涙活プロデューサー。『人生を変える「涙」の法則』など著書多数。10月20日には神奈川県の温泉とコラボし、泣ける話が得意なお笑い芸人・オオカミ少年をゲストに招き、足湯に浸かりながら涙活と呆活を行うイベントを開催予定。志茂田景樹氏との共著絵本『ぼくの天国ポスト』を近日発売。

フリー編集者・ライター。岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。