開演予定時刻から20分以上過ぎた頃、ようやくフロアが暗くなり、青い照明がステージを染め不協和音が流れる中、メンバーが登場。そして点滅するライトの中、千秋(Vo)がお立ち台に上り、1曲目の『____』が始まった。

ステージ床やドラム台に施された鏡面のような加工がまるで実験室のよう。それが赤い照明に揺らめいて不穏な空気を醸し出し、一方で青い照明の時は光が反射して水槽のような表情をみせていた。そういった演出効果は大きな会場ならでは。

そして『擬死』『絶蘭』とジリジリと真綿で首を絞めるような曲が続き、『殺意』『sister』とヒートアップしていく。SaZが拡声器を抱え、千秋がお立ち台にのぼり手を広げ、「遊ぼうか…?遊ぼうか…?そう!これはもう…戦争だ!」と叫び『大塚ヘッドロック』へ。

いつものようにステップして回転するキラ。観客と一緒に横移動して手を叩くSaZ。

「生きてる?じゃあ…、遺書を!遺書を書こう!」という千秋の声、そしてイントロの手拍子から『「遺書。」』へ。

「ババアも…ジジイも…!若者も…!変な奴も…!ホモも…!差別する奴も…!普通のやつも!満足か?満たされてるのか?満たされなくてもいいから…とりあえず…」とDEZERTが全方位を突き放すのはある意味平等で、ある意味優しさなのかもしれないと思った。

「こんばんはDEZERTです。……休憩しまーす」と本当にステージの奥に戻っていってしまう千秋。すぐ戻ってくるのかと思えば、数分の時間が経過。なにをするわけでもない楽器隊。戸惑う観客。

そして何事もなくしれっと戻ってきた千秋がギターを抱えると、バラード曲『遭難』が披露される。薄暗いステージの中、千秋にスポットライトがあたり前回のO-EAST公演で配布された楽曲「異常な階段」をメチャクチャなギターを奏でながら彼一人の弾き語りで歌い上げる。