これまでのSIMフリースマホの取り組み

ZTEジャパンは3月17日、プレス向けに3月28日発売の「ZTE Blade V580」と合わせて、スマートフォン(スマホ)事業戦略の説明会を開催した。

1985年に中国で創業したZTEは、2008年に日本市場に参入。キャリア向けに端末を提供してきた。2014年にはSIMフリースマホの販売を開始し、2015年にはNTTレゾナントが展開する「goo」ブランドのスマホ「gooのスマホ」を手がけた。

これまではキャリア向け端末の開発や提供が主で、あまり自社の名前を表に出してこなかったZTEジャパン。プロダクトマーケティング ディレクターの吉本晃氏も「ZTEの名前を出せていないと感じている。今年はそこに力を入れ、よく知ってもらおう」とブランド力の強化に力を注ぐ方針だ。

●ブランド認知の一翼を担う新モデル「ZTE Blade V580」

ブランド強化の一翼を担うのが3月28日に発売する「ZTE Blade V580」だ。すでに予約を受け付けており、税別価格は2万7800円。5.5インチのフルHD(1080×1920)ディスプレイを搭載し、写真もテキストもくっきり表示する。

高性能オクタコアCPUを搭載し、カメラやアプリの高速起動を実現。複数のアプリが起動していても効率的に処理できるので、省電力に貢献する。さらにハイエンドモデルのトレンドとなっている指紋認証センサも搭載。端末のアンロックだけではなく、カメラのシャッターにもなるので、自撮り時にスマホを構えながら片手でシャッターを切れるので使い勝手がいい。

カメラの有効画素数はメインが1300万画素、フロントが500万画素。パノラマ、ライブ、マルチアングル、モーショントラッキング、顔認証機能などを備える。

バッテリ容量は3000mAhで連続待受約600時間、連続通話約30時間を実現。本体サイズは高さ155.3×幅77.2×厚さ8.55mm、重さは約165g。内蔵メモリは2GBで、ストレージは16GB。

李 明代表取締役社長は「2016年中に日本のSIMフリースマホ市場で上位3位に入りたい」と目標を掲げた。

なお、家電量販店などの実売データを集計する「BCNランキング」で、SIMフリースマホの2月のメーカー別販売台数シェアを見るとZTEは1.5%で8位。上位3社では、シェア24.0%のASUSが1位、24.0%のファーウェイが2位、23.9%のプラスワン・マーケティング(FREETEL)が3位と3社とも20%を超えるシェアを獲得している。特にASUS、ファーウェイはずっと上位をキープしている。この牙城を崩すのは並大抵ではなく、それゆえ、ZTEがどのような戦略を取るか注目したい。(BCN・山下彰子)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。