男の子の育て方に悩む親は多いようで、書店に行けば、さまざまな男の子の育て方指南本があふれています。

中でも、今回ご紹介するおおたとしまさ著『21世紀の「男の子」の親たちへ 男子校の先生たちからのアドバイス』は、同じ男の子の育て方について書いた本のなかでも、異彩を放っています。

本書は、男の子の先天的に持っている性質や習性ではなく、社会的立場の違いにフォーカスして、これからの時代、男の子はどう生きていくべきかを書いた本。

さまざまな価値観が音をたてて崩れていく現代において、親の生きてきた道がそのままロールモデルにはなりにくいとなると、親はどうしたらいいのか、悩む人も多いと思います。

さらに、時代の変化に振り回されて、子育てにおいて大切な本質的なことまで見失わないためにはどうしたらいいか、といったことまで、著者のおおたとしまささんにうかがってきました。

今、男の子に求められるのは学歴よりも家事力?

おおたとしまささん

――女親にとって男の子は、性別が違うということに加えて、時代背景が変わりつつある現代において、昔と同じ育て方が通用しなくなってきているということが本書には書かれていると思うのですが、実際に、これからの時代、親はどうあるべきか、そのあたりをお聞きしたいのですが。

おおた(以下お)「親のできることはすごく少ないと思っているんですよね。親は自分の信じる人生をしっかり生きるしかないんです。“これからの時代はこうだから男もこうならなくてはいけない”って言葉だけで言ってもね」

――そうですか。本書に、親は余計なことをしがちということが書いてありましたが、耳が痛かったです(笑)。

でも、今の独身女性が結婚相手に求める条件の2位に、「経済力」や「仕事への理解」を上回って、「家事・育児の能力」が入っていると聞くと、そういうことを子どもに伝えなくては、と思ってしまいます。

お「押しつけがましく言うことは、逆効果になるような気がします。”男も家事・育児をしなければいけない“などと言うのは、もしかしたら思想の押しつけになるかもしれない。なぜならば、それがどうやってもできないお父さんもいますしね、単身赴任などで」

――では、せめてこれからの男の子に、家事くらいはできるようになってほしい、と思ったら、どうしたらいいでしょうか。

いちばんいいのは、お父さんがお手本になること

お「いちばんいいのは、お父さんがお手本になることですよね。時々、お父さんが普通に料理をするのを実際にみていれば、子どもは男が料理をすることになんの疑問も抱かないと思うんですよね」

――そうですね。

お「生活のなかで、両親が状況に応じて、それぞれ、そのときどきにすべきことをするお手本をみせてあげればいいんじゃないかと思います」

――生活そのものをお手本にして子どもは育っていくんですね。ただ、家事を一切しないお父さんだったらどうすればいいでしょうか。

お「“うちの旦那はなにもできないんです”っていうお母さん、たまにいますけど、“なにもできないわけないじゃないか”って思いますよ(笑)家事ができないって、意味がわからないですよね。

料理だって、なにも自分でいのししを捕まえてきてさばいて料理しなくちゃいけないわけじゃなくて、ただ焼けばいい、煮ればいいだけじゃないかと基本的には思うんですが」

――たしかに、家事って必要にかられてただやればいいことで、上手下手はあっても、できるできないということではないですよね。