幼児の習い事でも常に上位の人気を誇る、英会話。英語リトミックなども含めると、かなりの数の子どもが英語に触れる習い事をしているのではないでしょうか。

理由はさまざまだと思いますが、グローバル化の進む現代において、多くの親は自分の子どもに早くから英語を習わせて将来の役に立ててほしいと思っているはず!

『世界に通用する一流の育て方 地方公立校から<塾なしで>ハーバードに現役合格』の著者・廣津留真理さんは、独自の英語メソッドを用いた家庭学習によって、一人娘のすみれさんをわずか4歳で英検3級に合格させています。

廣津留さんのメソッドは、従来の英語教育とはまったく違う、型破りの教え方。今回はそのひろつる式英語学習メソッドについて、お話を伺いました。

最初から高校入試レベルの英文読解を目指す

――小さいうちから英語の本を読み聞かせしていたそうですが、日本語の絵本と英語の絵本を並行して読んでも子どもは混乱しないものでしょうか?

廣津留真理(以下、廣津留):日本語が使われている日本に住んで、毎日親が日本語を話す家庭の子どもが、英語を週に数時間から数十時間学んだくらいでは、2ヶ国語の混乱はまったく起きません。

混乱するほど英語に浸る機会はありません。同時に学んでください。

――娘さんが2歳になってからは英語の読み方も教えたということですが、アルファベットや単語を教えたということでしょうか? 

廣津留:ひろつるメソッドでは、初回のレッスンから意味のあるかたまりとしての文章を読みます。

教え方のコツは、歌やゲーム、「Apple」「Train」などの簡単な単語、アルファベットの書き取りなどを一切排除することです。我が子が「英語を習っている」と親は錯覚しますが、それは英語学習ではありません。

また「How are you?」「Im fine,thank you.」や「My name is Mari. Whats your name?」と英語で言えて英語で書ける、アルファベットが書ける、簡単な単語が読める、英語の歌が歌える、これらを何年もやっている幼児や小学生がいますが、これもすぐにやめましょう。

それが英語だと思ってしまっては、将来本当の英語の勉強に出会った時に、あまりのギャップに英語がいやになってしまいます。むしろ、ひろつる式のように、最初から公立高校の英語入試問題程度の文章から入るのが有効です。

内容のある文章を読んで情報を得ることをまずは目標にしてみましょう。小さいお子さまにもできます。言葉をしゃべれるようになってきたら、絵本を読んで文章で読み方を教えるところから始めたらいいと思います。

――幼稚園生や小学生であっても、高校入試レベルの英文の読み方を教えるというのが斬新ですよね。

廣津留:親が、英語教育の全体像や18歳での到着点を知らない場合、英語のゲームや絵カード、簡単な英会話、中学英語準備対策など、無意味なドリルを延々とやらせてしまうんです。

0歳の段階で親が、少なくとも難関大学入試レベルの英語に要求される語彙と内容を知っていれば、そんなことをさせても意味がないとわかるものです。

日本在住の日本語が母語の人は、日本語で理解できない内容を英語でも理解できないということも知っていただきたいです。それだけ、親子の母語でのコミュニケーションは大切なんです。

――4歳で英検3級に合格したときは、英検用の試験対策の勉強も教えていたんでしょうか?

廣津留:3級受験前はもちろん過去問をやりました。3~4歳で英語がどれくらい読めるのか知りたかったので……。4歳以降は、英検は普通のペースで行い、特にこだわりませんでした。