今は情報もあり、昔ほどではありませんが…。

「自閉症」は、その名前から連想されるイメージで「自分の殻に閉じこもる→心を閉ざしている」と思われたり、鬱病と混同されたり、「愛情不足だから自閉症になったんじゃあないの?」と言われたりすることもあります。

「抱っこしてやらないから自閉症になってしまった」「自閉症=愛着障害である」と自分を責めているママもいて、未だに誤解があるようです。

けれども、お腹にいるときから脳機能に障害のある“自閉症”と、生まれた後の親の養育態度によって引き起こされる“愛着障害”は、見た目は似ていても、その原因も意味合いも全く異なります。

今日は、この「愛着障害」について、『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』の著者の、立石美津子がお話しします。

愛着障害とは?

愛着とは何だろう?

10ヶ月の間、母親の胎内にいた赤ちゃんは無防備な状態でこの世に生まれてきます。

人間の子どもは象やキリンや馬のように、生まれた直後から立つことはできません。僅か10センチでも自分の力で移動することさえできません。直立歩行するまでに1年から1年半もかかりますね。

これをスイスの生物学者のポルトマンが“人間は生理的早産である”と言いました。“子宮外胎児”とも言われます。未熟な状態で生まれてくるからこそ、周りの働きかけが重要で伸びしろが大きいのですね。

このように、一人では何もできない赤ちゃんに対して母親は一生懸命子育てをします。

年齢が上がるにつれ一人でできることも増えますが、それでも幼児期はあれこれ世話を焼きます。

この経験を通して、人間の子どもは「この世の中は安全なんだ」と確信を持ち、外の世界へ歩みだすことができるようになります。

布団に置いた途端に泣きだす、「ママ~、ママ~」と母親を追う、家事・仕事などこちらの都合など全くお構いなしに「遊んでほしい」「お菓子が食べたい」とだだをこねる。

子育てとはとても大変なことですが、子ども時代に家庭という安全地帯、絶対的安心感が確立されることにより、やがて親離れができるようになるのです。

愛着が形成されない状態とは

ところが、愛着が形成されない状況が起こることがあります。

虐待がその例です。

叩く、殴るなどの目に見える虐待ではなく、ネグレクトなどにより生きていく上で必要な世話をされない状態です。

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