自閉症の子どもが起こす愛着障害とは

自閉症の子どもは、親の後を追わなかったり、一人で寝かせていても平気だったり、乳幼児期に「あまり手がかからない子だった」と言われることがあります。

そうなると、母親は「おとなしくしている扱いやすいいい子」と思ってしまい、一人遊びをずっとさせることもあります。結果、愛情不足になってしまうこともあります。

また、反対にちょっとしたことで火がついたように泣く敏感な子どももいます。こうなると「とても育てにくい子」として育児に悩みます。

更に少し大きくなってもこれが自閉症だと気づかれぬまま、幼稚園、保育園に入園し、ひと時もじっとしていなかったり、集団行動がとれないと場合、「どうして、みんなは出来ているのにあなたは出来ないの!」と激しい叱責をしたり、厳し過ぎるしつけをしたり……。

その結果、子どもには不安感が増し、結果的に愛着障害と同じような状態に陥ることもあります。

また知識のない母親の中にはその特性を理解できず、障害を受け入れることができずに中には虐待してしまうケースもあります。

実際、発達障害の子どもは健常児と比べて4倍も虐待を受けるパーセンテージが高くなっていると言われています。

そうなると“発達障害+愛着障害”の両方が重なることになります。

 大人になって「自分が愛着障害かも…?」と感じたらどうすればよいか

どんなに小さなことでもいいので、“自分が認められる体験”を今から積むのです。

幼いころに得られなかった“人から大事にされる、認められる”という経験をこれから積んで、自分に自信を持てるように回復させるしかないのです。

自分が他人との関係性がうまくとれず悩んでいたとしても、過去に時間を巻き戻して親に“育て直し”をしてもらうことは不可能です。

ですから、まず身近な夫婦関係において、夫から妻として母として認めて大事にしてもらうことで愛情を感じていきましょう。

そのためには自分からも人に愛情を注ぐことを忘れないことが大切です。

そして、もしあなたが子育て中であれば、自分が経験したことを繰り返さないよう努めましょう。

親を反面教師にして自分がされていないことをわが子にすることは、なかなかハードルが高いかもしれませんが……。わが子が将来苦しまないようにするためにも、しっかりと親子の絆を今から深めていきましょう。

まとめ

どう育てられたかが、その人の一生を決めるといっても過言ではありません。それほどまでに子ども時代、特に0歳~3歳までは大事な時期なのです。

愛着障害~子ども時代を引きずる人々~ (光文社新書)』(岡田尊司)はこれからママになる人、そして今、現在進行形で乳幼児を育てているママにはぜひ読んでもらいたいお薦めの本です。参考にしてくださいね。

<参考>
ビッグイシュー『「気づかれない発達障害」が児童虐待につながる:杉山登志郎さんに聞く