メトロノーム

メトロノーム・シャラク(VOICECODER)

続いてはメトロノーム。98年結成のMUCCと同世代のバンドであり、00年代初頭にはイベントで共演することも多々あったという。テクノサウンドを主軸としたロックが当時から異彩を放っていた彼らもまた、〈オルタナティヴ〉というテーマにふさわしいバンドである。

今年、09年の活動休止から7年ぶりに活動再開、このCOMMUNEが再開後初のイベント参加となる。

ステージの上手、下手にはシンセサイザーやアップル製品が並び、中央には「メ」のマークをあしらったお立ち台が鎮座している。

SEとともにリウ(TALBO-2 ※B)、フクスケ(TALBO-1 ※G)、シャラク(VOICECODER ※Vo)はファンにはおなじみの黒と黄色を基調にした衣装で登場。そして「メトロノームだッ!」というこちらもファンにとってはおなじみの挨拶から始まったのは『絶望さん』。

「みなさ~ん絶望ですか~? 人のイベントに呼んでもらって『絶望』なんて、炎上しかねないのもわかるんですが、『お約束』ってわかります?」とシャラク。

そして活動再開後のシングルから『メタリア~ノ?ピコリア~ノ!』を披露。

「皆さん、いきなり7歳年をとったことがありますか? 僕はあります。メトロノーム、恥ずかしながら帰ってきました」と敬礼するシャラクとフクスケ。やたらとメタ視点に立った発言で笑いを誘ったMCを挟んで「この後はかっこいい曲が目白押し」と、活動再開後初のシングル表題曲『解離性同一人物』ではテルミンを操るフクスケ、シンセサイザーに乗ってベースを弾き倒すリウと各々の見せ場が光る。

先程のシャラクの言葉通り『不機嫌なアンドロイド』、『三つ数えろ』と、メトロノームの代表曲といえるカッコいいサウンドでフロアを魅了していく。この日のサポートのJOE(Dr)による祭り囃子のようなリズムと観客の手拍子の中、フクスケによる口上が炸裂する。

メトロノーム

「COMMUNEに呼んでいただき、まことにありがとうございます~! 今日のラインナップの羅列見た? アー写、黒いの黒いの黄色いの黒いの……! 浮いてるぞ! もっともっと浮いて行こうか!」とフロアを煽っていき『MATSURI』がスタート。

「もう一曲おつきあいください! みんなで回れば怖くない!」と、最後はサビでくるくると回る振り付けが印象的な『φD-SANSKRIT』で盛り上げた。

【セットリスト】
01. 絶望さん
02. ス・ペ・エ・ス!ロマンチック
03. メタリア~ノ?ピコリア~ノ!
04. 解離性同一人物
05. 不機嫌なアンドロイド
06. 三つ数えろ
07. MATSURI
08. φD-SANSKRIT

Plastic Tree

Plastic Tree・有村竜太朗(Vo)

昨日に続いて登場したPlastic Tree。一曲目は長谷川のベースから始まる『イロゴト』。そして『曲論』へと続いていく。

メンバーコールが止まない中、昨日同様「やあやあ」と挨拶する有村。

「今日もお呼ばれしてやってきました。4人組ロックバンドPlastic Treeです。2曲目から楽しく疲れちゃいましたね。楽しんでますか? イベントも中盤? 後半? 大分お化粧もお崩れになったことですね、僕らも早く追いつきたいんでよろしくお願いします」とゆるゆるしたMCで観客を和ませた。

そしてステージ上のメンバーにスポットライトがあたり『梟』へ。

『マイム』では昨日同様有村が上手に寄ってナカヤマに近づくもそれを避けられるという一幕も。

「バンギャー! 今日もバンギャしてるか? 俺らはバンドおじさんをしてるぜ(笑)。お前ら全員バンギャ辞めんなよ! ということで……」と『あバンギャルど』へ持ち込む。

トップバッターのNOCTURNAL BLOODLUSTのMCでの「わがままボディ」にひっかけて、自身を「曖昧ボディ」という有村。「プラの中で一番マッチョな曲をやります。マッチョなくせにお化けの曲をやります」と『Ghost』を披露。

「そろそろ僕らは記憶の星になります、出会えて嬉しかったです」という有村の言葉から奏でられたのは『アンドロメタモルフォーゼ』。ゆっくりと深い眠りに沈んでいくように締めくくり、観客を圧倒した。

少年性を保持したまま円熟さも併せ持つPlastic Tree。彼ら独自の世界を構築していく手腕は流石というほかなかった。

【セットリスト】
01. イロゴト
02. 曲論
03. 梟
04. マイム
05. あバンギャルど
06. Ghost
07. アンドロメタモルフォーゼ