5.「見える化」で子どものやる気をアップ

最後に、お手伝いに見向きもしない男の子もその気にさせる、とっておきのワザを教えていただきました。

粂井「課題や成果をわかりやすく『見える化』してあげると、やる気を引き出しやすくなります。

たとえば、私のワークショップに参加してくれたあるママは、カードゲームが好きな子どものために、お手伝いカードを作ったそうです。

手作りのカードに、トイレやハンディワイパーなど、子どもにさせたいお手伝いを表す絵を描き、それを子どもに引かせるというもの。ゲーム感覚でお手伝いができる名案ですよね。

また、あるママは、ボードとマグネットを用意して、ボードの左側にマグネットを並べ、当番のお手伝いができたら、一つずつ右に移していくという方法で見える化していました。お手伝いをする度に、ノートに一枚ずつ好きなシールを貼るという方法を考えたママもいました。

皆さんも、お子さんが楽しくお手伝いを続けられそうな自分流の方法を見つけてくださいね」

以上が、家事セラピストの粂井さんが教える、進んでお手伝いや家事をする子を育む「5つのヒケツ」。

ちなみに、現在、高校生である粂井さんの息子さんは、幼児期からお手伝い習慣を続けた結果、今や家事の達人に。

息子さんにとっては、洗濯物は家族の分まできっちり畳んで引き出しに並べ、キッチンのシンク掃除をする際には、排水溝までピカピカに磨き上げるのが「当たり前」だそうです。

粂井「この力は、学力や仕事力アップにもつながりますし、将来、彼の妻や子どもを笑顔にするでしょう。つまり家事スキルは、子ども自身を幸せにするものなのです」

今回は男の子ママへのアドバイス中心にお聞きしましたが、もちろん上記の5つのポイントは、女の子にも当てはまります。

幼児期は、お手伝いを始める絶好の機会。「うちの子、自分のこともまだ満足にできないのに…」というママもいると思いますが、そんな子こそ、お手伝い習慣で大きく成長してくれるかもしれませんよ!

<取材協力:粂井優子
環境カウンセラー、1級家事セラピスト、整理収納アドバイザー。社会人、大学生、高校生男女3人の母。独立行政法人で役員秘書として勤務。退職後、不登校児を預かり暮らした経験から、心理学を学ぶ。

2012年より共同主宰している「親を楽しむサロン」の他、「暮らし、夫婦、子ども、仕事、こころ みんなに笑顔を」をキャッチフレーズに、家事・子育てに関する各種講演、講座、ワークショップ、企業研修を全国各地で開催。講師・プランナーグループ「Home to Work」代表。

京都在住ライター。私大文学部を卒業し、会社勤めを経てフリーライターに。東京都内で活動した後に、京都市左京区に引っ越し出産。その後は京都で子育てをしながらライター業を続ける。インタビュー・取材記事をはじめ、カルチャー、ヘルスケア、生活などのジャンルで幅広く執筆。