大学進学、就職、結婚などで子どもが家を出た後、ママの心にポッカリと穴があいたように空しくなる症状を、「子育てロス」または「空の巣症候群」と呼びます。

幼児期を過ぎても、ずっと親友同士のようにママと子どもとの距離が近く、ママが子育て中心の生活を送っていれば、子どもがいなくなった後にロス状態になるのは当然かもしれません。

子育てロスを避けるためには、子どもが成長とともに親から離れて行こうとするのに合わせて、ママも段階的に「子離れ」していくことが必要だといわれています。

では具体的には、いつ頃から、どのように子どもと距離をとっていけばいいのでしょうか?

「子どもの個性や家庭環境などにもよるので一概には言えませんが、一般的には、子どもが自立する18歳頃までに、ママが子どもから距離を置く大きなチャンスは3回訪れます」

そう話すのは、上手な親離れ・子離れの方法を解説した『子どもの自立を遅らせるひと言・助けるひと言』の著者で、カウンセリングサービス所属心理カウンセラーの大門昌代さん。

3回のチャンスとは、これから挙げる、子どもの成長の節目となる3つのタイミングのことだそう。その時期ごとにママがとるべき行動や、子どもとの距離のとり方などを、大門さんからのアドバイスとともにご紹介します。

1.小学校に入ったとき

小学校に入学すると、親と離れている時間が長くなり、その分、自分で考え、自分で行動を決めることが増えてきます。ママは、我が子が、もう「何もできない子ども」ではないのだ、と気持ちを切り替えていく必要があります。

「先回り」するのはやめる

行動面では、まず、持ち物の用意や部屋の片付けなど、自分のことは自分でやらせるのが基本です。ママと一心同体だった幼児時代はもう終わり。子どもが何も言っていないのに、子どもがやろうとしていること、してもらいたいと思っていることを先回りしてやってあげるのはやめましょう。

子どもの意見に耳を傾ける

とはいえ、子どもはまだ6、7歳。自力で身の回りのことや新しいことにチャレンジしても、まだ失敗することが多いかもしれません。それでも頭ごなしに否定せず、子どもなりの考え方や意見を聞いてあげることが大切です。

慎重なタイプの子だと、行動を起こす前に、ママに「公園で遊んでもいい?」「次はどうしたらいい?」などと聞いてくるかもしれません。そんなときも、親の意見を伝える前に「○○は、どう思うのかな?」「あなたはどうしたいの?」と、子どもの意見や希望を聞くようにしましょう。

子どもの意見を聞くことで、ママは自分とは違う意見を持っているかもしれない、と子どもに気づかせ、お互いに少しだけ距離感を感じることができます。

また、親が話を聞いてくれるということは、親が自分のことを信頼してくれている表れなので、子どもは自信を持つようになります。

自分の言動には自分で責任をとらせる

子どもが自分で責任をとれるようなことに関しては、親が代わりに責任をとらないようにしましょう。

たとえば、子どもが友達とケンカしてしまったとき。もちろん、場合によっては親の立場で謝罪することも必要ですが、子ども自身にもきちんと謝罪させる必要があります。親が代わりに謝罪して終わらせてはいけません。