エアろくろを回しながらヴィジュアル系を熱く語る団長さん

――それはどういう意味でしょうか?

団長:数年前に、音楽業界の中で「ネオヴィジュアル系ブーム」と言われてた頃には本当はもう終わりかけていたんです。なので、いまはそのバブルがはじけた後でほとんど何も残っていないです。個人的な印象ですが、近年のインディーズシーン、ライブハウスシーンの衰退の仕方は目に余るものがあるなと。

――ヴィジュアル系シーン自体、若いインディーズのバンドが盛り上がっているからこそ成り立っているジャンルなのに、そこが弱ってるというのはたしかに問題ですよね。具体的にどういう部分で衰退してると感じているのでしょうか?

団長:これは俺の持論なんですけど、90年代にラルクやGLAYが一般層にも人気を博し、その後にDIR EN GREYやPIERROTの波が来たじゃないですか。あの世代のバンドたちは世間一般の人に「ヴィジュアル系ってこんなにかっこいいんだ!」って思わせてくれたんですよ。
そこを入り口にして「もっとヴィジュアル系を知りたい!」と雑誌を買ったりして、そこでまた色々なインディーズのバンドを知って「ライブハウスに行ってみよう!」という流れができていた。そんなふうに後輩バンドに還元できるようなバンドっていうのは、今はいないと思うんです。だからライブハウスに通うお客さんが減りつつある。

ヴィジュアル系のコアなファンをかき集めて大きな会場でできるバンドは多々いますけど、いま言ったみたいに、お茶の間に進出して、なおかつインディーズのバンドにまで還元できるようなバンドって、ゴールデンボンバーが出てくるまでいなかったと思います。