――いまはゴールデンボンバーがブレイクしていますが、90年代のようにヴィジュアル系シーン全体に活気があるわけではないと。

団長:実際インディーズのバンドはまだ本当の意味でDIR EN GREYとPIERROTから抜け出せられてないんですよ。好きな人に憧れるのは普通のことですし、決して悪いことではないですけど、いまバンドをやってる若い子たちは、「なぜ化粧をするのか?」っていうことがもうわからないんじゃないかと。

――いまの若い人だと物心ついた時からすでに「ヴィジュアル系」というものが存在してる世代ですよね。

団長:「どうして化粧をするのか」「なぜ髪を立てたのか」という話をするとヴィジュアル系のルーツやらなにやらで長くなるので詳しくは省きますけど(笑)、その理由ってだいたい大きく分けると「自分たちの世界観を音以外に視覚でも表現したい」か「対バン相手の誰よりも目立ちたい!」というふたつしかなかったと思うんです。

そこに、もうひとつ「単にヴィジュアル系のバンドが好きだから」っていう理由の子が増えたと思います。もちろん全員じゃないですけど、そういう姿勢がアーティスト写真とサウンドやライブに出ちゃってる。それが悲しいですよね。

――うーん……。

団長:人より目立ちたいがために化粧を始めたのが「ヴィジュアル系」だったはずなのに、人と同じような化粧をすることが目的になった時点で、このジャンルの精神は死んでるんです。
俺が一番嫌なのは、よくあるじゃないですか「メジャーに行くと化粧が薄くなる」みたいな。もちろんその時その時の衣装やコンセプトがありますから、それにあわせて化粧を変えるのはかまわないんですけど。たまに言っちゃうじゃないですか「別にヴィジュアル系じゃなくてもいい、音楽が出来ればいい」って。

――いわゆる「脱ヴィジュアル系宣言」ですね。

団長:それで全く違う別のバンドをやるならそれでいいと思うんですけど、同じバンドの中でその部分を変えてしまうのは「根本を変える」ということですよ。つまり「折れた」というか「信念が曲がった」ということじゃないですか。
じゃあ最初にヴィジュアル系をはじめようと思った理由はなんなのか聞きたいです、俺は。

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます