半年間「五色田介人/ゼンカイザー」を演じて変化した心境

駒木根葵汰・前田拳太郎 撮影:鬼澤礼門

ーー駒木根さんは『ゼンカイジャー』の放送から早くも約半年が経ちました。演じる上でのマインドに変化はありましたか?

駒木根 この半年間さまざまな人たちと関わったことで、心の変化はとてもありましたね。特に7月公開した映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』を経て、ヒーローに携わるすべての人たちの愛をすごく感じました。

だからこそ、今のスーパー戦隊のセンターに立つ身としてヒーローに対する愛が一番強くなくちゃいけないと。自分が演じる『ゼンカイジャー』への愛は一番しっかり持たなければいけないと思いました。

この思いがあれば、撮影に情熱をぶつけることができるし、見てくださっているみなさんにも情熱や愛を伝えることができると改めて実感しています。

前田拳太郎 撮影:鬼澤礼門

ーー話が進むにつれ、ステイシー役の世古口凌さんやゴールドツイカー一家の増子敦貴さん・森日菜美さんなど同年代の方たちも増えていきましたよね。同世代の役者さんがいることで、撮影中の空気感や雰囲気などにも変化はありましたか?

駒木根 同世代が増えたことで等身大でいられるので、僕自身すごく楽になりました。それまではフランクではあるもののみなさん年上ですし、スーツアクターさんや声優さんと職業的にも少し異なるので、気楽に話す間柄というよりは勉強になるなぁという感覚でした。

同世代の人たちはやっぱり普段の自分が出しやすいですよね。趣味も仕事も話が合うから、より楽しさが増えました。

ーー以前、増子さんが駒木根さんについて「みんなをまとめてくれて頼りになる」「きいちゃんがいると安心する」とおっしゃっていました。

駒木根 えー、嬉しい! 直接言ってもらったことはないんだけどな(笑)。僕の方が先に撮影に入っていたので、後から入ったメンバーにキャストさん・スタッフさんの紹介をするように動いてはいましたね。あとは分からないことがあったら聞いてというスタンスでいました。

最初はどういう立ち回りをすればいいのだろうと考えて気を遣うこともあったのですが、時間が経つにつれて変に気を遣いすぎなくてもいいんだと分かったので今はすごく自然体です。

駒木根葵汰 撮影:鬼澤礼門

ーーSNSでも共演者のみなさんとの写真をアップしていて仲の良さが伝わってきます! また、SNSでは視聴者の方たちからコメントをいただくことも多いと思うのですが、印象に残っている反応はありますか?

駒木根 SNSだと『ゼンカイジャー』を見てくれている子どもたちのお父さん・お母さんから、お子さんの気持ちを代弁していただくことが多くて。

「息子が介人になりたい!と言っています」「娘が介人と結婚したいと言っています」など、すごく嬉しいのですが……よくよく考えると本当にいいのだろうか?と思うんですよ(笑)。

ーーと、言いますと?

駒木根 僕自身、介人は本当に心優しい人間だと思うけれど、1話ではスカイツリーからバンジージャンプをしようとする人間なんですよ!? 子どもたちに胸を張って目指してほしいと言える人間なのだろうか……そんなことを言い出したら止めた方がいいのでは……と複雑な思いが自分の中にあります(笑)。

親御さん的にも娘さんと結婚する相手が介人で大丈夫なんですかね? 要検討だと思います(笑)。

「自分だけのヒーローをつくりたい」(駒木根)「ヒーローらしいヒーローになりたい」(前田)

前田拳太郎 撮影:鬼澤礼門

ーー駒木根さんは「一年間をかけて、僕にしか見せられないヒーロー像を見せていけたら」と以前、お話されていましたが、今もその気持ちに変わりはないのでしょうか。

駒木根 自分だけのヒーローをつくっていきたいという気持ちは変わりないですね。演じていく中でも、既存の像を追いかけるのではなく、介人とともに歩んでつくり上げていく方が面白いと確信に変わってきている感覚があります。

介人の新しいいい面を見つけては、付け足して、僕なりのヒーローをつくり上げていきたいです。

前田 「自分だけのヒーローをつくる」か。めちゃくちゃカッコいい! 学ばせてもらいました……! この後の取材で、その言葉使わせてもらおうかな(笑)。

ーー前田さんは『リバイス』を演じる上で、「こういうヒーローになりたい!」という理想のヒーロー像はありますか?

前田 ちっちゃい頃からカッコいいヒーローに憧れていたので、彼らのようなヒーローらしいヒーローになりたいです。考え方が古いと言われるかもしれないけど、熱くてカッコいい、少し昭和っぽいイメージのヒーローになりたいと思っています(笑)。

駒木根 それもすごくいいと思う!

駒木根葵汰 撮影:鬼澤礼門

ーーちなみに、前田さんが先輩ヒーロー(駒木根さん)に聞いておきたいこと、伝授してほしいことはありますか? この機会なので、ぜひ!

駒木根 銭湯ですでにしゃべっているかもしれない(笑)。

前田 たしかに(笑)。なんだろうな……朝一の撮影でのテンションの上げ方とか聞きたい!(笑)

駒木根 挨拶をする時、めちゃくちゃ大きな声を出すこと。朝一の撮影って僕だけじゃなくて、スタッフさんたちもテンションが上がり切っていないんだよね。

だから、「おはようございまーす!!!!」と大きな声で挨拶をして入る。そうすると「元気だなぁ」と場を和ませられると思っていて。自分だけテンションが上がっていても周囲の環境が伴っていなければ落ちてしまうから、周りのテンションも一緒に上げてしまう方がいいと思うよ。

前田 それなら実践しやすくていいかも。部活みたいな感じだね(笑)。

駒木根 挨拶は基本ですからね。何より撮影はチームプレーだから、みんなでテンション上げて頑張ろう!という意味も込めています(笑)。

前田 すごくいいことを聞いちゃいました。やっぱり、さすが先輩ですね!