6.質問されたことには正確に・親身になって回答・教育しろ。

新入社員は、研修で受けたことしか知らない「ひよこ」のようなものです。もしそんな新入社員から、仕事に関する質問を受けたり、「私はこの会社には向いていないんじゃないか」という相談を受けたら、親身に時間をかけて相談に乗ってあげて下さい。この時こそ、新入社員が学生の延長線から社会人に踏み出す転換点なのです。これが5月病というひともいますが、4月に発生することもあります。

先輩・上司はここで面倒くさいと思うと、もうその新入社員は質問してきません。次に出てくるのは退職願です。この初めての質問・相談に丁寧に答えることこそ、不安で無防備になっている新入社員の心に深く、「ああこの会社は話を聞いて、アドバイスをくれる」と刻み込まれるのです。

7.厳しいけど、頼りになる先輩・上司を目指せ。

さんざん怒られて、さんざんクレームを受けて、新入社員は育っていきます。そして最初の社外からのクレームが発生したとき、先輩・上司は全力でフォローしてください。ある先輩は、新入社員が起こしたクレームに対して、先方に出向き、土下座までしたそうです。しかし、その後先輩は、新入社員に一言。「相手に土下座したんじゃない。おまえが起こしたミスはもともと俺の教育が悪かったから、おまえに対して詫びの気持ちで土下座したんだ」と言い切りました。

土下座の是非はありますが、かっこよくキメる必要はありませんが、新入社員にとって、自分がミスしてもこの先輩・上司がいてくれると思われる存在になりましょう。といいつつ、私も何回もお客様に土下座しているような気がしますが、まあそれはおいておきましょう。

8. それでもダメなら、溶かすしかない。

ここまで教育しても、本当に改善の余地がない新入社員も存在します。日本はあまり新入社員を解雇することはありませんが、試用期間中に改善が見られない場合、会社は解雇の決断をすべきなのです。

もちろん試用期間中の行動や、試用期間が終わる一ヶ月前に改善勧告を出して、このままでは本採用できないことを本人に告知するのを忘れずに。ただし能力面の成長は大器晩成という言葉もありますから、じっくり見定める必要があります。あくまで社会人としての気構えについての評価です。

 

最後が後味が悪くなりましたが、いいこいいこしているだけでは、新卒社員は一切育ちません。そして会社が嫌になって辞めていくか、ろくに戦力にならないか、たんなる駒になるか。最近大企業の新卒社員の早期退職率が高くなってきているのも、「頼りになる先輩」がいないからではないかと疑っています。