会見の雰囲気をできるだけ洩らさずお伝えするべく、会見(序盤)の様子を書き起こしました。

是非カンパニーの熱い思いを受け取ってください。

出演が決まった時の気持ちは?

司会:企画を受けられた時のお気持ちをお伺いしたいと思います。

 

脚本・演出 石丸さち子(以下 石丸):本作のお話をいただいた頃は2.5次元作品を演出したことがなかったので、自分が適任かどうか分からなかった。

けれど、これを自分が演出すると思って原作を全部一気に読みました。アニメを全話一気に観ました。

その時(読み終え、観終わった時)には、私が一番適任だと思っていました。

 

一同:へぇ~!!(感激の声)

 

石丸:少年たちの心の旅があまりにも独創的に描かれていながら、ものすごく自然で、何にも依るところが無く、

誰かが作ったルールの中で大人になることを覚えていくのでなく、教科書も無く、常識にとらわれるわけでもなく、

この11歳という年齢で人体錬成をする禁忌を犯してしまった2人が、兄弟でその罪を背負いながら自分を見つけていく旅、命の意味を見出していく旅。

本当に重く心にのしかかる時もあれば、ものすごく軽やかで若々しくて…

私は読んでいる間も、見ている間も、ずっとその冒険を共にしていて、「この光景を是非とも私に作らせてください」と、私の方から逆にお願いしました。

「舞台『鋼の錬金術師』」製作発表会 ©荒川弘/SQUARE ENIX・舞台「鋼の錬金術師」製作委員会(撮影 /かとうきょうこ)

この人気作品、素晴らしい内容、荒川先生の長い時間をかけた大作に失礼のないように。

とにかくこの作品を愛することが全てだと思っております。

真っ向から『鋼の錬金術師』に立ち向かって、演劇を愛する方にも、長らくこの作品を愛する方にも、集まっていただいた俳優を愛する方にも、

みなさんに「あー!観に来てよかった。」一生の記憶に残るような、エドとアルの旅を共にしていただけるような作品にしたいと思っています。

 

司会:ありがとうございます。キャストの皆さんにも出演が決まった時の感想をお聞かせいただきたいと思います。

今回、エドワード・エルリックとアルフォンス・エルリック役、およそ4ヶ月に渡るオーディションを実施されたということなんですけれども…

まずは一色さんからお伺いしたいと思います。

 

エドワード・エルリック 役 一色洋平(以下 一色):はい。決まった報告を頂いた時は、人生で初めて最寄駅から家までノンストップでダッシュするという奇行にはしりました。

一同:笑

一色:走ろうとして走るんじゃないんですね、走っちゃう、足が止まらない…うぉおおおおおえええい!

気付いたらお家という…

「舞台『鋼の錬金術師』」製作発表会 ©荒川弘/SQUARE ENIX・舞台「鋼の錬金術師」製作委員会(撮影 /かとうきょうこ)

そのぐらい〝湧き上がるものがあって走り出す〟というのは初めての経験で、自分にとって忘れられない夜の街の光景でした。

オーディションは…オーディションというか、もう…稽古だったよね?

 

エドワード・エルリック 役 廣野凌大(以下 廣野):稽古でした笑

一同:笑

 

一色:石丸さち子さんのオーディションは稽古…でした。

「このシーンをこのメンバーで作るぞ!」という気合でずっとやっていたので、床は汗だくだし。

だけどアクションシーンをやるからみんな人の汗で滑りに滑り…

七転八倒しながらシーンを作り…

途中、〝誰がエドをやるか、誰がアルを掴むか〟(誰がオーディションの選考に残るのか)というのがどうでもよくなったりするんです。

いったん脇に置いといて、「みんなでこのシーンを作ろう!」ということに注力することになる。

それこそ、岡部麟ちゃんが演じられるウィンリィなんかもみんなで回して

 

ウィンリィ・ロックベル 役:岡部 麟 (以下 岡部):え?!

一色:「アルのばかぁ!」って言って…

「舞台『鋼の錬金術師』」製作発表会 ©荒川弘/SQUARE ENIX・舞台「鋼の錬金術師」製作委員会(撮影 /かとうきょうこ)

岡部:そうなんだ!!

眞嶋:みんなでやりました。

岡部:何も聞いてないよぉ~

一同:笑

一色:みんなで回したのよ。みんなで回して作ったのさ!

っていうようなオーディションがあったので、ピリピリしたものとかは実は無くて、すごく健全に俳優たちが戦って。

だから今2人でエドをやらせていただきますけど、あのオーディションにいた、みんなのエドも乗っかっている気がしています。

その人たちの分も背負ってやっていきたいと思います。

よろしくお願いします。

 

司会:廣野さんはどうでしょう?

廣野:あ、全部言われました。

「舞台『鋼の錬金術師』」製作発表会 ©荒川弘/SQUARE ENIX・舞台「鋼の錬金術師」製作委員会(撮影 /かとうきょうこ)

一同:笑

 

廣野:ハガレンのオーディションに書類から臨ませていただんですけど、役者人生の中で一番考えたオーディションになったというか。

オーディションの段階から(役を)作って、気合を入れて行ったんですけど、みんなもその思いを背負って、目がみんなほとばしる情熱というか…

そういうのが溢れていたオーディション会場で、ほんっとうに…

オーディションが長くて!!!(大声)

一同:笑

廣野:1時集合、9時解散…みたいな!!

一同:笑&悲鳴

 

廣野:オーディションじゃありえないくらいの…稽古はあそこから始まってた!

いきなり石丸さんに言われたのが「はい、今日2シーンつくるから!」

作るからってなに?!って笑

「うわ!うぉーーーー」ってなって、言葉に言い表せない体験をさせていただいたんですけど。

それが終わって、オーディションの合否を待っている時も、「やり切ったから悔いはないな。」と思っていたんです。

改めて「決まりましたよ」という連絡を頂いた時に、初めて…腰が砕けました…!!

もう、よろよろと座り込んで…

マネージャーさんから連絡があって「よかったね」

この5文字だけ。

「受かったよ」とかじゃなくて「よかったね」と来た瞬間…

「おかあさん!おとうさん!!!」

家族にも周りの人間にも感謝をして、改めて「やってやるぞ!」という気持ちが芽生えてきて。

で、今記者会見しています!

見ていますかみなさん!!!僕は頑張りますからね!!!(大声)

みんなの思いを背負って!!頑張りたいです!以上です!