自分じゃないところと自分であるところが混在させられる

撮影/西村彩子

――すごく分かります。新幹線に乗ってるときとか、わざわざこの景色でこの曲聴きたい!と思って、その風景に合わせて曲をスタンバイしてかけちゃったりしますよね(笑)。

そうそうそう! そんで1人で陶酔する感じ(笑)。

――それです! その感覚を、“自分MV”って呼んでいるんですけどね、私(笑)。

“自分MV”!? 何やねんそれ(笑)。

――自分がそのMVの主人公になった感じに陶酔することです(笑)。その感覚に似てるなぁと思って。

あははは。そういう感覚ね(笑)。でも、たしかに、そこで陶酔するってことは、そういう感覚なのかもしれへんよね(笑)。感情が入り込みやすいというかね。まぁ、分かるよ(笑)。でも、そんな風に思ったことはないけど(笑)。

――前に渋谷さんに、そういう感覚ないですか?って言ったら、“無いなぁ”って言ってましたもんね。そういう感覚で、印象的な映画やドラマに、勝手に主題歌付けたりしないですか?って訊いたときも、“無いなぁ”って言ってましたし。でも、“外に行くとき音楽が無いと出掛けられない感じ”って、それに近いんじゃないかな?と。その感覚とは違うんですか?

あぁ~、なんかそれ訊かれたことあったなぁ。でも、それとはちょっと違うねん。なんか、タイアップを頼まれてないのに、勝手に主題歌作るみたいなことやろ? それはないねんなぁ(笑)。そこはやってやれんことはないと思うけど、なんかそこはやったことないです、まだ(笑)。

なんか、ちゃんと実際にお願いされないと、それはやったらアカン気がしてるのかもしれないです(笑)。うん。ちゃんとタイアップという形でお願いされないと、イタヅラにそれはしたらアカンと思ってるのかもなぁ(笑)。

撮影/西村彩子

――遊びで歌詞が書けないタイプということですか?

絶対書けないタイプやと思う(笑)。そんなことで書いた歌詞を世に出してはいけない!と思ってしまうんやと思います(笑)。

――真面目、ですね(笑)。

案外そうなんです、僕(笑)。そういう作り方をしてる人が悪いとは思わへんけど、自分は、なんか、量産する為にそういう作り方して作るのは、なんか後ろめたいというか……。でも、タイアップという与えられたテーマがあったら、そこに自分を連れて行ってあげられる気がするというか。それも嘘じゃない気がするというか。

――じゃあ、渋谷さんの楽曲や歌詞には、自発的に出てくるノンフィクションは無いってことになりますよね?

まぁ、そういうことになるのかなぁ。でも、だからタイアップって好きなのかも。自分じゃないところと、自分であるところが混在させられるから。なんか、キッカケになるというか。

――だから“楽しい”と感じるのかもしれないですね。物語を書く感覚に近いのかも。

うん。そうかもしれないですね。それを楽しめてる気がします。