“こんな曲作ってみたい!”っていう想いが膨らんでいってる

撮影/西村彩子

――昨年の12月にリリースされた第4弾「Stir」は、今までの渋谷すばるとは少し違ったテイストの楽曲でしたよね。今までの様なストレートなロックンロールサウンドというより、少しオルタナティブ・ロックというか、ポストロックというか、少し違った質感のロックだと感じたのですが、「Stir」はタイアップというところではなくとも、少し違う方向性を意識されて作られた感じだったんですか?

「Stir」は意識的にいつもとは少し違う雰囲気の楽曲を作りたいと思って作った曲だったんです。ちょっといつもと違う方向を向いてみようかなと思ったというか。

いつも曲を作るときに共通している思いとしては、ライヴでやることを大前提に考えて作っているってとこなんです。全部そう。曲調が違うのは、切り取ってる場面が違うんです。ライヴのこういう場面で聴かせたいなっていう、場面が違う感じというか。

「Stir」は、何も考えずに体が動いてしまう様な、踊れる曲を作りたいなって思ったんです。そういう曲って、無いなぁって思って。

「Stir」を昨年の12月にリリースしたのは、昨年の9月から4カ月連続リリースの流れだったんですけど、9月の「7月5日」も10月の「ぼーにんげん」も11月の「これ」も、作った時期がツアー前で、“ツアーで何曲目にやりたいな”って考えながら作った曲だったんです。

――ライヴの景色と繋がっていたということですね。

そうそう。

――昨年のツアー(『渋谷すばる LIVE TOUR 2022 二歳と1328日』(福岡サンパレスホテル&ホール(9月14日・15日)を皮切りに、ファイナルの大阪城ホール(11月5日・6日)迄全国7カ所14公演で開催)は、座組みが大きく変わったのも印象的でした。よりバンドサウンドになったなと感じました。

そう。昨年のツアーでバンドメンバーが変わって、よりバンドっぽくなったのも変化の一つというか、むしろ、そこが1番大きい変化やと思う。自分の中でもツアーをやってるうちに、変化を感じていたというか。どんどん“こんな曲作ってみたい!”っていう想いが膨らんでいってるんです。

だから、この先、どんどん変化していくと思う。リズムをすごく感じられる音になってるというか。

撮影/西村彩子

――ツアー『渋谷すばる LIVE TOUR 2022 二歳と1328日』で得た大きな手応え、ということですよね?

そうそう。今のメンバーと一緒にツアーしてみて、自分的にも手応えをすごく感じたし、お客さんの反応というか、ノリが変化したのを感じたんです。一緒に音を楽しんでくれてる感覚というか、ライヴという空間を楽しんでくれてる感じというか。

もっともっと、今まで以上に、ライヴという非日常を一緒に作れる感じがしたんです。もっとそういう空間を作りたいって思ったというか。なんていうのかな、本当に“もっといける!”って思わせてくれたというか。もっと特別な場所に出来そうだなって思えたのもあって。

――具体的にはどんな風に変化していきそうですか? 「Stir」みたいな曲も増えそうです?

うん。もっと踊れる曲も作りたいと思っているし、もっと激しい曲も多くなりそう。でも、逆にピアノ1本だけで聴かせる曲も歌いたいなって思っていたりもするし。

――昨年のツアーでは各パート(ギター・ベース・ドラム・鍵盤)それぞれとのセッションもありましたよね。

そう。そこもすごくいい刺激になったんです。バンドでもこんな魅せ方も出来るんだなって。本当に前回のツアーを経験したことで、いろんな発想が広がっていってるんです。いろいろ遊べそうだなって思ったんですよね。ただただ届けるだけじゃなくて、みんなと楽しめる空間にしたいなって。

――ライヴがすごく変化していきそうですね。

ですね。自分もすごく楽しみなんです。