2. こどものストレスを最小限にする

シネコンでよくある座席列の一例を再現。前方座席まで距離が離れている、中央通路に面した最前列がおすすめ

続いて考えるべきは、もちろんこどもの環境です。やはりこどもは、長時間同じ姿勢で座っていることができません。

これは、映画のおもしろさとは無関係。大人でも、映画を見終わった後は身体が重く感じますよね。こどもは言わずもがな。映画5回目で慣れているはずの4歳の子でも、座席に真横に寝転んでみたり、「一緒に座る」と言って膝に乗ってきたりします。こどもなら仕方ないのです。

ですので、「座りなさい」「大人しく観なさい」と叱るのではなく、長い時間は座っていられない前提で、たとえばこどもが立ち歩いたり、床にゴロゴロ寝転がりだしても、多少であれば周囲の迷惑になりにくい座席を選ぶのがオススメです。

加えて、いざというときに席を立ちやすいという条件も加味すると、なお良いでしょう。

よくあるシネコンなどの場合、座席の前方ブロックと後方ブロックが、大きな通路で分断されている形状が多いのではないかと思います(画像参照)。こういうケースでは、通路に面した最前がベストポジション。なぜなら、目の前に座席がないので、こどもがウロウロしても、ぶつかって前の座席の人に迷惑をかける心配がありません。

なお、幼児ぐらいの身長であれば、立ち歩いても、(傾斜もあるため)座席の背もたれのほうが高く、死角に入って迷惑にならないケースが多いです。これはもちろん、映画館の形状によるので、観賞前に後ろからの見え具合をチェックしておくと安心です。

次点でおすすめなのが、スクリーン近くの前方付近です。なぜなら「スクリーンに近すぎると見えにくい」という考え方をする人が多いため、基本的に最後の方に埋まるポジションだからです。よほど混雑しているときを除けば、周囲にあまり人がいない可能性が高いです。観やすさも、最近の映画館は特にアングルが計算されているようで、思ったより良いというのが実感です。

続いて、最後方、または座席列の端です。こちらは、周囲に迷惑を掛けにくいという意味ではやや微妙ですが(座席列の端の場合は、こどもを端に座らせれば、左右の隣人は気にせずに済む)、いざというときに席を立ちやすいメリットがあります。

ちかごろは、ネットで座席を事前予約できる映画館が増えています。実際、こどもが観ても楽しめる映画の場合、おもしろいようにこの3か所のポジションから埋まっていくんですよね。むしろ、中段ど真ん中の好座席が空いている、なんてことも。世の中のお父さんお母さんも、考えていることは同じであるようです。

映画を観に行こうと決めたら、早めに座席を予約したいですね。

 

3. 移動、現地での行動、待ち時間を最小限にする

最後のコツは、子連れの物理的な負担を最小限にすることです。

まず、こどもは疲れやすいので、映画館が遠いと、移動だけで負担になります。加えて、あまり混雑していると空気がギスギスしやすいですし、もちろん体力面にも響きます。よって、たとえば都内の人気映画館へ行くよりも、地元近くのローカルなシネコンを探すほうがオススメです。

また、映画館へ着いたら、すぐにチケットを発券して、ポップコーンと飲み物を買って、さっさと映画を観られるように、現地での行動や待ち時間を最小限にしたいですね。チケットを買うのに並んで、開場まで待って……というのは、こどもが飽きてしまっていいことがありません。チケットは必ず事前予約を。自宅から近い映画館であれば、待ち時間も時間も読みやすくなります。


以上、幼児と一緒に映画館で映画観賞を楽しむための3つのコツをお届けしました。

もう一度整理すると、「こどもは長時間座っていられなくて当然だから気楽に」「こどもを叱るより、周囲の迷惑になりにくい座席を選ぶ」「子連れの物理的な負担を最小限にする」の3つです。この3点にさえ留意すれば、幼児と一緒でも、問題なく映画を楽しめます。

うちのこどもたちも、大画面で観るのはまた格別な体験であるようで、最近は「映画館に行くよ!」というと、飛び上がって喜ぶようになりました。
え、こどもたちはポップコーンが食べたいだけだって!? その面も否めませんけどね。(笑) ぜひ皆さんも、ゆるーく捉えて、子育て中の楽しみを広げてください!