謎の覆面テニスプレイヤーがあらわれ、血まみれの死闘が繰り広げられる。舞台上ではミラーボールが周り、中学生が宙を舞う! そんな奇想天外なスペクタクルを、青少年たちの生身の体で実現したミュージカルが、12/19、東京・日本青年館にて幕をあけた。

タイトルは「ミュージカル『テニスの王子様』青学(せいがく)vs四天宝寺」公演。「テニミュ」といえば、駆け出しの若手俳優が、瑞々しく、爽やかに、青春を演じる舞台だと思っている人は、二重の意味で予想を裏切られるだろう。捨て身のギャグで思いっきり笑える、それでいて、少年漫画らしく熱い闘いが感動を呼ぶからだ。

これまでの流れを簡単におさらいしよう。主役校の「青学(せいがく)」こと青春学園中等部は、全国中学生テニストーナメントを勝ち上がり、いよいよ準決勝までやってきた。今回の対戦相手は昨年ベスト4の強豪校・四天宝寺中学校。「勝ったモン勝ちや!」を合い言葉に、大阪の学校ならではの笑いと、なんでもありの戦法で青学を苦しめる。

舞台の幕が上がると、四天宝寺の1年生、遠山金太郎が飛び込んでくる。真っ赤な髪に、アニマル柄のタンクトップ。いかにも「大阪!」という感じの野生児だ。「来たで〜 東京!」と目を輝かせる金太郎と一緒に、「ドンドンドドドン四天宝寺!」とコール&レスポンスをすれば、まるで自分も応援席にいるかのよう。

 

そして、舞台に青学レギュラー陣が集合。真っ青なジャージに身を包んだレギュラー陣9人が一糸乱れず踊る、まさに「ザ・テニミュ」なシーンに、テンションが上がる。