番外編:キューバ・スペイン

最後に番外編として、小さな子ども連れで行くにはハードルが高い部分もありつつ、子どもと旅行してみたいとっておきの国を教えてもらいました。

木村「私自身が、価値観が変わったなと思う国はキューバですね。

昔、仕事の関係でアメリカのサンディエゴに1年間住んでいたことがあって。サンディエゴはメキシコとアメリカの国境にある都市なので、ラテンの文化が浸透しているんですね。そこでラテンダンスにハマって、キューバの人に習ったりして、本場に行ってみたいということで何度かキューバを訪れました。

究極の社会主義みたいな国で、今はわかりませんが、私が行ったときは日本の戦時中のような配給制度がまだありました。

国としては貧しいんですが、老若男女みんな歌やダンスで日々の楽しみを見つけていて、暗さがまったくなく明るい雰囲気で、子どもたちもスプーンやバケツを楽器にして遊んでいるんですよ。

もちろん、制度的に良い面、悪いどちらもあると思うんですけど、つらい中でも楽しみを見つけて朗らかに、強くたくましく生活しているので、そのあたりは考えさせられる部分があったし、価値観が変わりましたね」

そのほか、ヨーロッパ、特にスペインも文化の違いを感じて衝撃を受けた国だそう。

木村「スペインは街並みも文化も人柄も日本とは全然違うので、子どもが感受性豊かなときに連れていってみたいなとは思いますね。

日本は、『人に迷惑をかけてはいけません』という教育で、何事もキッチリしているじゃないですか。スペインでは、夜12時に子供が外で遊んでいたりするんですよ(笑)。昼寝をする文化なので、それもあるのかなとは思いますが。

日本の子どもたちはいろいろな制約の中で生きていると思うので、こういう全然違う世界もあるんだよって感じてもらうのもいいのかなと思います。

やっぱり海外旅行の醍醐味って、おいしいものを食べる、きれいな景色を見るということだけではなく、文化って国によってこんなに違うんだって体感できること。もし長期の休みがとれるなら、ちょっと時間をかけて日本とはまったく違う国に行ってみるのもいいんじゃないでしょうか。

お得に海外旅行できる裏ワザも

海外旅行をしたいと思っても、やはり気になるのはお財布事情。エクスペディアでの予約で、お得に海外旅行ができるとっておき情報を教えていただきました。

木村「エクスペディアの、航空券とホテルを組み合わせたダイナミックパッケージがおすすめです。航空会社と宿泊したいホテルの両方をエクスペディアで予約するというシンプルなもので、航空券とホテルを別々に予約するよりもかなりお得な金額で予約することができます。特に泊数が長いほど値引きが大きいので、遠方の長期旅行であればこちらがお得です。

ただ、そうは言ってもホテル選びはもっと時間をかけて飛行機だけ先におさえたい、ということもあるかと思うのですが、そういった場合でもエクスペディアで飛行機を予約したあとに同じサイトでホテルの予約もしていただければ、お得なパッケージレートが適用されます。

さらに、いま力を入れているのが、エクスペディアの会員プログラムです。会員といってもEメールアドレスとパスワードでアカウントを作っていただくだけなので非常に簡単です。

会員になるだけで、10%以上の会員限定割引を提供しているホテルを予約いただけます。さらに、エクスペディアをたくさんご利用いただくと、シルバー、ゴールド会員という形でアップグレードされて、さらにお得な会員価格や特典が利用できます。

そしてもうひとつ、ぜひ活用していただきたいのが、フライトの価格トラッカーという機能です。飛行機の料金は日々上がったり下がったりして、予約する日によって同じフライトでも料金が変わったりします。この機能は、自分が行きたい目的地を設定すると、航空券の値段の上下を追跡して、値段が上下したときにアプリでお知らせしてもらうことができます。

出発直前の予約はやはり値段が高くなる傾向はあるので、旅行の2、3カ月前ぐらいからこのフライト価格トラッカーの設定をしていただき、少なくとも1カ月から1カ月半前ぐらいに予約すると、お得に予約できるのではないかなと思います」

最後に、木村さんに子連れ海外旅行の醍醐味について伺いました。

木村「日本は人口がどんどん減っていますし、10年後20年後、子どもたちが成人になったとき、今以上に国際社会の中で自分のプレゼンスを高めていって、頑張って競争していかなければならなくなると思うんですよね。

そういった意味でも、プチ留学的な感じで、小さいうちから海外旅行で違う国の違う文化に触れる体験ができるのはとても貴重だと思います。観光地に行くのもいいですが、観光地化されたところはどうしてもローカル色が薄まるので、本当に現地のファミリーが普段土日に行くようなところを追いかけてみるのも面白いですよね。

家族単位でとどまらず、それこそ現地の公園やビーチなどもいいと思うんですけど、そういった場所で現地の子どもと一緒に遊べるような機会があるとなお良いですよね。子どもは本当に自由だし、垣根がないので。

例えば宿泊するホテルで子どもたちだけで参加できるアクティビティやキッズプログラムがあるなら、参加させてみるのもありだと思います。親もリフレッシュできて、子どもは世界中から来ている子どもたちと触れ合えるので、とてもいい体験になりますよ」

国内よりはハードルが高いけれど、きっと日本にいたらできない体験がたくさんできる子連れ海外旅行。お金を貯めて、まとまったお休みがとれるタイミングで、今回ご紹介したポイントをおさえながら、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

■取材協力
木村 奈津子さん

エクスペディアグループホールディングス(株)代表取締役 兼 エクスペディアグループ リテール日本統括ディレクター。複数のグローバル企業を経て2007年にエクスペディア・ジャパンに入社。マーケティング責任者や、HomeAway(現:Vrbo)の日本支社長を経て、2023年より現職。仕事とプライベートで40都市以上に居住+旅行した経験あり。4歳の娘がいる。お気に入りの旅行先は、アメリカ・サンディエゴ、スリランカ。

エディター&ライター。エンタメ誌などの編集を経て、出産を期にライターに。ミーハー精神は衰えないものの、育児に追われて大好きなテレビドラマのチェックもままならず、寝かしつけたあとにちょこちょこと読むLINE漫画で心を満たす日々。