「1人目で産後うつ状態に陥ったワタシが2人目でまた産後うつになったらどうなってしまうのか…」

しかし、1度は経験していることで、全てが手探りだった1人目よりも2人目は、先回りして動ける部分もあります。

もし産後うつ状態になったときも、1人目の際に紹介してもらったクリニックに行けばいい。かかりつけの小児科はもう決まっているし、なじみの家庭支援センターや自治体の保健士さん保育士さん色々な情報を得ることもできる。

上の子の時は実際に夫婦だけでは回らないという問題に直面して産後1ヵ月ごろから利用した育児ヘルパーも、産後スグにお願いすれば産後うつにならずに2人目育児を乗り越えられるのかもしれません。

『上の子との時間が減る』という問題

ワタシの中ではコレが一番の悩みどころでした。
1歳半検診の時から、他の子よりも少し発達がゆっくりだということで慎重に様子を見てきたムスコ。
それは2歳8ヵ月の今も変わらず、家族や保育園、自治体の保健士・心理士さんなどの力を借りながら、今も心配事をひとつひとつじっくりと解決していっています。

この状況で2人目を妊娠・出産したらムスコに割ける時間は確実に減る。手をかければかけるだけ確実にステップアップしてきたムスコの成長を見ると、途中から急に『手抜き』になってしまったら折角今まで積み上げてきたものが台無しになってしまうのでは…。

——2人目を妊娠してもムスコのことを第一優先にする! つわりや不育症治療で多少辛かろうが、気合で乗り越えてムスコの育児をおろそかにしない!2人目の産後もちゃんとまわりのサポートを受けて気持ちの安定したママでいる!
産後の体調が万全じゃないのはママだったらみんな同じ。自分を大事にしながらムスコも大事にする!——

これができたらきっとうまくいくのだろうという答えは頭のなかで分かっています。結局、自分自身にそれをやりきる覚悟が足りない。だから2人目に踏み切れないんだ。

2人目が欲しいと言いながら踏み切れない自分の覚悟のなさ、情けなさ…

まるで現実から逃げてるようだなと落ち込んでいたワタシを救ってくれたのは、2人目を生んだ先輩たちの言葉でした。

シンプルな結論、幸せのかたち

「一番大事なのはママ本人の気持ちだから、心から欲しいと思ったらその時でいいし、悩んでるなら今は可愛いムスコに全力を注ぐ。それでいいんじゃない?」

「きょうだいがいれば成長にもいい影響があるかもしれないけど、それより何より、『家族がもう一人増えたら幸せだな~!』っていう気持ちを持てた時に望んだほうが、きっと楽しいよ!」


てっきり、「だったら、とにかく早く2人目妊活しちゃいなよ」とか「やってみたら案外
何とかなるから!」とか言われると思っていたワタシは、目からウロコが落ちました。

理屈よりも気持ちの大切さを知っている人。家族の構成よりも愛情を第一に考える人。

ママの気持ちの数だけ家族の形は色々と違ってくるんだと当たり前のことにハッと気付かされました。

そうか、ワタシは今、旦那とムスコと自分の3人の家族が一番大事だと思っていて、2人目を迎え入れたい気持ちよりも、ムスコを全力で愛したい気持ちのほうが勝ってる。
今2人目を見送る事で、年齢的に妊娠しづらくなったり、不育症での出産がうまくいかなかったり、仕事や保活に色んな苦労があったり、そういうことを引き合いに出しても、やっぱり今はムスコだけを一番大事に育てたいと思う。
だったら、今はその気持ちに忠実でいたい。

将来「あー!あの時ゴチャゴチャ悩まずにさっさと2人目産んどけばよかったー!」なんて浅はかな後悔をしない為には、「あの時間をムスコに捧げて本当に良かった!!」と思える育児を今すればいい。

そうシンプルに考えたら胸のモヤモヤは消えていました。
そしてワタシは今、『2人目が欲しいと思うまでの期間限定一人っ子育児』をしております。

「アタシは一人っ子で育って全然幸せだったから、本当は自分の子どもも一人っ子にしたかったんだよ。お金と時間がたっぷりかけられるからね。でも旦那にせっつかれて想定外の2人目なの(笑)」
そんな、本当は一人っ子を望んでいたというママの話にも、ちょっとだけ心が軽くなっています。

このまま一人っ子でも構わない。でもいつか2人目も欲しい。その気持ちが本物に変わるのを家族を大事にしながら待っている。

それがワタシのいま考えている『子育てのかたち』です。

おわり

※【お知らせ】マンガ連載『鈴木さんちの子育て通信』は今回の67話にて「完」となります。
5月からは新シリーズにて復活予定。乞うご期待!

 大手出版社から単行本を数冊発表し、現在は休業中の(元)漫画家。アシスタント業をメインにしながら、主婦業とお母さん業でも大忙しの毎日。夫である鈴木妄想とオタクトークで燃え上がるのも日課。息子の笑顔と各国アイドルのPVを見て癒されている。

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