ここでしか見られないコラボが続々

若手の台頭に対し、デビュー10年を超えるアーティストたちは、確立したそれぞれのカラーでゆるぎない存在感を放つ。個々のステージでは進化し続ける最新のパフォーマンスを見せ、『SMTOWN LIVE』の大きな見どころであるコラボステージでは、後輩たちを引き立てつつ、磨いてきた技を惜しみなく注ぐ。

SM ENTERTAINMENTの“長男”であるカンタは、NCTのドヨンと『Doll』を披露。自らはピアノを弾き、歌い出しをドヨンに譲るも、二人での美しいハーモニーを聴かせる。一転、自身の楽曲の『Eyes On You』では歌って踊る姿も見せ、彼を長く見守るファンたちも喜ばせた。

東方神起は、昨年デビュー20周年を迎えたタイミングでリリースした最新曲『DOWN』で、衰えを知らぬカリスマ性を標ぼう。さらにRIIZEと昨年末の『2023MAMA AWARDS』でも注目を集めた『Rising Sun』で再コラボを果たす。真っ白な衣装をまとったRIIZEの初々しさもある懸命なパフォーマンスも良かったが、彼らの背後から現れた東方神起の貫禄は、一朝一夕にはかなわないもの。登場しただけでその場のすべてを掌握し、後半に向かってボルテージをマックスにまで持っていく流れは圧巻だった。

SUPER JUNIORは彼らにしかできない緩急あるステージを展開。『Sorry, Sorry』『BONAMANA』といったヒット曲で一体感を作り出す一方、MCでは爆笑必至のトークを繰り広げる。普段からMCが長いことで知られる彼らだが、今回はイベントのために持ち時間が少なく、リーダーのイトゥクの号令で、それぞれがしゃべりたいことを一度に話しだし場内を爆笑の渦に巻き込む。結果、何を言っているのか分からず、自己紹介すらできずに終わっても、「これがSUPER JUNIORだよね」と納得してしまうのは、ここまでに築いてきたグループの色があってこそ。

SUPER-JUNIOR × NCT WISH

そんな彼らは、NCT WISHと2006年リリースの『U』でコラボ。まずはバックステージでNCT WISHがパフォーマンスし、その後メインステージからSUPER JUNIORが登場するという流れで、当たり前かもしれないが厚み、深みの違いを感じる。この曲のリリース当時まだデビュー2年目で、今のNCT WISHのメンバーとさほど変わらない年齢だったことを思うと、18年前の姿がNCT WISHに重なりつつ、18年後のNCT WISHが楽しみにもなった。

少女時代のテヨンとヒョヨンはソロアーティストとして後輩とタッグを組む。SM ENTERTAINMENTの中でもずば抜けた歌唱力を誇るテヨンは、NCT 127のジェヒョンと共に『Starlight』で極上のハーモニーを届ける。また少女時代の中でも随一のダンススキルを持つヒョヨンは、『DESSERT』でWayVのヤンヤンとコラボ。ヤンヤンのラップに乗り、クールなダンスをきめていた。

Red Velvetは日本オリジナル楽曲『WILDSIDE』や、最新曲『Chill Kill』で、それぞれの曲のコンセプトに合わせた完璧な姿を見せつつ、アイリーン&スルギでの『Monster』も披露。今年、デビュー10年目を迎える安定的なパフォーマンスと、更新し続ける表現力で観客をステージに引き付けた。

また日本での開催ということで、日本のアーティストの楽曲をカバーする面々も。SUPER JUNIORのイェソンは、Official髭男dismの『Pretender』を本家顔負けの高音ボイスで歌い上げ、ウェンディ(Red Velvet)とウィンター(aespa)はあいみょんの『Her Blue Sky』を、透明感のある歌声で届ける。“ギュライン”と呼ばれるキュヒョン(SUPER JUNIOR)、チャンミン(東方神起)らの仲良しメンバーは、毎回コミカルなパフォーマンスで楽しませてくれるが、今回はショウタロウ(RIIZE)を迎えてYOASOBIの『アイドル』をカバー。ファンを喜ばせるためならどんなことにも全力を尽くす“完璧で究極なアイドル”の姿を見せてくれた。

CHANGMIN × KYUHYUN × SHOTARO

他にも、各グループの精鋭が集まったダンスコラボや、ソロデビューを果たしたNCT 127のテヨンやWayVのテンがステージを披露。また、8年ぶりの『SMTOWN LIVE』への参加となったチョウミ(SUPER JUNIOR-M)は、チームメイトのウニョクやリョウクとのコラボで楽しませる。リョウクはソロデビュー曲『The Little Prince』をソヒ(RIIZE)とともに歌唱し、ソヒの安定したクリアな歌声に笑顔で拍手を送るなど、ここでしか見られない特別のステージが繰り広げられた。

『SMTOWN LIVE』がスタートした当初は、出演者の年齢も近かったが、今では親子ほどの年齢差がある者もいる。それは、ベテラン勢が変わらぬ実力を保ちながら、若手がしっかりと育ってきていることの証でもある。入れ替わりが激しく、新人が活躍するのも簡単ではない世界で、確実にヒット作を世に送り続けるSM ENTERTAINMENTの力はやはり偉大だと感じる。世代間が広がるほど、それはさらに難しいこととなるだろうが、いつか祖父母と孫ほどの年齢差ができたとしても、このイベントが続くことを願いたい。

 

文:瀧本幸恵
撮影:髙村祐介/釘野孝宏

「SMTOWN LIVE 2024 SMCU PALACE @TOKYO」
202年2月21日・22日@東京ドーム
出演者:KANGTA/東方神起/SUPER JUNIOR/TAEYEON/HYOYEON/ZHOUMI/Red Velvet/NCT 127/NCT DREAM/WayV/aespa/RIIZE/NCT WISH

<セットリスト>
NCT WISH / NASA
NCT WISH / Hands Up
HYOYEON x YANGYANG / DESSERT (Feat. YANGYANG of WayV)
ZHOUMI x EUNHYUK / Mañana (Our Drama) (Feat. EUNHYUK)
ZHOUMI x RYEOWOOK / Starry Night (With RYEOWOOK)
KANGTA X DOYOUNG / Doll
KANGTA / Eyes On You
RIIZE / Get A Guitar
RIIZE / Love 119 (Japanese Ver.)
aespa / Next Level (Band Performance Ver.)
aespa / Spicy (Band Performance Ver.)
WayV / Love Talk (English Ver.)
WayV / Phantom (English Ver.)
YESUNG / Pretender / Official髭男dism
SEULGI X JENO X KARINA X WONBIN / Hot & Cold
NCT 127 / Be There For Me
WENDY X WINTER / 空の青さを知る人よ / あいみょん
RYEOWOOK X SOHEE / The Little Prince
TAEYEON / To. X
Red Velvet - IRENE & SEULGI / Monster
SUPER JUNIOR X NCT WISH / U
東方神起 X RIIZE / Rising Sun
NCT DREAM / Best Friend Ever
NCT DREAM / We Go Up
HYOYEON / Picture
TAEYEON / Starlight (Feat. JAEHYUN)
CHANGMIN X KYUHYUN X SHOTARO / アイドル / YOASOBI
TAEYONG / SHALALA + TAP
Red Velvet / WILDSIDE
Red Velvet / Chill Kill
SUPER JUNIOR / Sorry, Sorry
SUPER JUNIOR / BONAMANA
TAEYONG X JENO X HENDERY X YANGYANG X GISELLE / ZOO
TEN / Nightwalker
東方神起 / Down
RIIZE / Talk Saxy + Siren
aespa / Drama (Rock Ver.)
NCT U / Baggy Jeans
NCT WISH / WISH
NCT DREAM / ISTJ
WayV / On My Youth (English Ver.)
NCT 127 / 2 Baddies
NCT 127 / Fact Check
Red Velvet / Feel My Rhythm
SUPER JUNIOR / Black Suit
東方神起 / Rebel
東方神起 / 呪文 -MIROTIC-
SMTOWN / Hope from KWANGYA

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