ではここで、お待ちかねのインタビューをどうぞ。今回のご登場は、リーダーの高嶋菜七さん(なな)、半年ぶりの公演となった「1×0」エピソード3の主役を務めた櫻井紗季(いさき)さん、浜崎香帆(かほ)さんの3人です。マジメに演劇を語ったり、リラックスした雰囲気で裏話を語ってくれたりと、かなり濃密なインタビューになりました。まずは「1×0」エピソード3についての部分から。


――まずはPLAY×LIVE「1×0」(プレイライブ「ワンバイゼロ」)エピソード3、お疲れ様でした!登場人物の過去にスポットをあてる、というのはエピソード3が初めてだったんじゃないでしょうか。ストーリー的にも佳境に入ってきましたよね。お二人は主役を演じて、いかがでしたか?
 

櫻井紗季さん
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いさき「ストーリーが進んで行く中で、何度か過去に戻るプレイバックシーンがあるんです。そうすると、演じている自分の気持ちもリセットしなくちゃいけなくて。一回落ち着いてから、最後のクライマックスでまた上げるんです。そのために、感情の高ぶりを、呼吸で表現したりするのが苦しくて…。」

――おお、なるほど。演劇ならではの苦労があるんですね。

いさき「でも、ゼペット役の板倉チヒロさんに「役としての気持ちはリセットされても、櫻井紗季としての気持ちは絶対に切らすな。」って教えていただいたんです。時間は何度も戻って、気持ちはリセットされるんだけど、自分自身としては、テンションを保て、って。その助言にすごく救われました。」

――うむむ、さすが舞台人ならではのアドバイス。板倉さんの力、すごいなぁ。かほさんはいかがですか?

浜崎香帆さん
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かほ「私が演じるカホ役に、お父さんから時計をもらうシーンがあるんです。実際に、「1×0」のエピソード1初日に、実のお父さんから本当に「がんばれよ」って言って時計をもらったんですよ。エピソード3の台本をもらった時に、「お父さんから時計をもらう」っていうシーンがあってビックリして。」

――つまり、現実とお芝居が偶然一致したっていうことですか?!

かほ「そうなんです!お父さんが内容を知っていたわけじゃないんです。演出家のウォーリー(木下)さんも、ビックリしていました(笑)。」

――うわ、そのシンクロニシティすごいですね…。では、リーダーのななさん(エピソード1主役)、エピソード1・2の再演や、NEW VERSIONを経て、エピソード3ではバトンをお二人に渡したわけですが…、見ていていかがでしたか?

高嶋菜七さん
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なな「私はエピソード3はアンサンブル(主役以外の出演者)で出演していて、ハッカー役としてかけているサングラスの奥で、涙を流してた時もあったんですよ。二人が、一つ一つの公演を新鮮に演じて、お客さんを感動させているんだな、って思って…。」

――確かに!自分も何度か目頭が熱くなりました。お二人にとっては、初演(2013年10月)から数えて半年ぶりの主役だったわけですよね。

かほ「初演の時は、セリフをセリフとして言うので精いっぱいで…。動きもぎこちなかった気がします。イサキ(櫻井紗季が演じる役)の動きを見て動けていないところもありました。NEW VERSIONになって、イサキの行動や言い方を見ながら演じることが出来るようになりました。」

いさき「自分の中で、役を決めつけ過ぎていたかも、って思っていました。おとなしい子だから、と考えすぎて、本当に動けてなくて。自分の殻が破けていなかったんです。もっと大きく演じられたのに、と思って…。NEW VERSIONでは絶対後悔したくない、って思っていました。」

――終演後のMCで、「イサキっていう女の子は、いろいろと感じているけれどそのことが表現できない子だから、内面を演じているときはもっと表現しようと思った」っておっしゃっていた回がありました。

いさき「初演の時には、自分の中での解釈だけで演じていたんです。でも、それを見て演出家のウォーリーさんに「俺はわかるけど、お客さんには伝わらないよ」って言われました。身体で出さなきゃ舞台って伝わらないんだ、と思って。」

――なるほどなるほど、興味深いですね…。なんだか話が真面目になってしまってすみません(笑)

いさき「私、ウォーリーさんに、「二人の性格がマジメだから、台本に食らいつきすぎだ」って言われました!」

かほ「台本に素直になりすぎっていうのはよく言われました。逆に、リーダーはアドリブ入れ過ぎって(笑)。」

――リーダー、そうなんですか?(笑)

高嶋菜七さん
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なな「そうなんですよ!ウォーリーさんに、いつも言われるのは、異常にアドリブ入れ過ぎって(笑)。一回一回のお芝居で、同じことを新鮮に出来ないのが私の課題なんです。そこはそこでいいところ、とも言っていただけるんですけど…。

例えば、ウーミー(登場キャラクター)との会話も、本当にその場で感じていることを言ってしまったりして(笑)。」

――なるほど~、リピーターの方としてはそこが楽しみだったりもしますよね(笑)。さてさて、これから6月のNEW VERSIONエピソード4・5と続きますね。いよいよ後半戦に差し掛かっていくわけですが。

なな「すごく楽しみですね。エピソード1~3で少しずつ出てくる3人(ラコ、ウサキ、フタバ)のシーンも面白かったですよね。エピソード4は、ウサキ(神宮沙紀)とラコ(飯田桜子)の個性が全面に出ています。「1×0」のエピソード全体を通してもちょっと特殊だと思いますよ。エピソード5は初演の時とは全く変わってくると思います。フタバ(橘二葉)を助けに行かないと!って思ってます(笑)。」

いさき「どうなるのか、本当に謎です。最後の全員集合も「1×0」の謎も残っているし…。イサキが秘密を打ち明けるのかも気になります。」

かほ「ラコ、ウサキ、フタバ、全員キャラが濃いですよね。私たちがアンサンブルとして、どうやって3人を引き立たたせられるか、考えています。」