イクメンを気取りたいなら育児より家事だ!

イクメンという用語があまりにも安易に使われるようになっており、ちゃんと育児に参加している男性が使用をためらうまでになってしまいました。しかし、まじめにイクメンしている人はぜひイクメンであると堂々と声を上げて欲しいと思います。

このとき、私が男性にあえて言いたいのは「イクメンを気取りたいならむしろ育児をするな!」ということです。奥さんが必死に掃除をしている横で、子どもをあやして遊んでいるのがイクメンのイメージだとしたら、これは「しんどいことを女性にやらせて、楽しい時間を子どもと過ごす」ということです。

イクメンほど、育児ではなく家事をすべきだと思います。また、いいイクメンは家事もしっかりこなしているものです。母親が子どもと遊んでいるあいだに、掃除機をかけたり皿を洗ったり洗濯物を干すのがイクメンなのだと思います。

しかし、子育てがスタートしてからはじめて家事をすると、先ほどの家事ハラ問題に夫は直面します。不慣れで時間はかかるしクオリティは低いのだから当然、妻は怒ります。ただでさえ子育てで疲れている(あるいは仕事との両立で疲れている)のに、なんで夫の家事指導をしなければならないのだ、というわけです。

これをクリアする方法はもう、「育児スタート前に家事を覚える」ことにつきます。子どもが生まれるより前から、「共働きだから、家事もシェアしよう」という発想を当たり前に持つことが大切です。子どもが生まれる前なら妻も家事の指導をする余裕がありますので、男性は素直に教えを請い、女性は今のうちが家事を教えるチャンスと考えるといいでしょう(夫を叱るよりは褒めて伸ばしてください!)。

男性や妊娠期間中にぜひ家事を分担し、負担を増やす心構えも忘れずに。仮に年収比で家事分担もバランスが取れていたとしても、これから子育てという負担が増えることになり、また負担バランスは変わります。そう、子どもが生まれたら、男性は今までより家事負担を増やすのは当然のことなのです。

広告的に使われる「家事ハラ」という言葉はイマイチですが、これが共働き夫婦の家事シェアのあり方を考えるきっかけになればいいなと思います。

 

参考資料:旭化成ホームズ「30代~40代・子育て中の共働き夫婦を対象とした「妻の家事ハラ」実態調査結果を発表」

やまさき・しゅんすけ 「人生の幸せの問題は、たいていはお金の問題である」という考えのもと、お金と幸せについて考えるファイナンシャル・プランナー(FP)。公的年金制度・退職金制度、投資教育が専門。Twitterでは毎日一言「お金の知恵」をツイートしてます。副業はオタクで、まちあるき、アニメとコミック、ゲーム好き。所属学会は東京スリバチ学会と日本年金学会