元町を代表するブランド「フクゾー」に突撃!

 

JR石川町駅から徒歩5分ほど、元町商店街に店を構える「フクゾー」。

代表取締役社長・森本珠水(たまみ)さんにお話を伺う。外出先から駆けつけてくださった珠水さん。「(今日は)フクゾーの服、着てないの」と言いながらも、撮影にご協力してくださる。

「フクゾー」は1946(昭和21)年、初代の森本福蔵(ふくぞう)さんが創業。現在は3代目の珠水さんが店を引き継いでいる。

創業当時の「フクゾー」外観(提供:ミハマ)
2階の工房では職人さんが一つひとつ服を作っている
 

創業以来、糸・生地・染色・裁断・縫製までこだわり、一貫してオリジナル商品を作り続けているのが特徴だ。

「糸や生地から自社で製造するのは大変では?」と言うと、やはり「原価がかなり高い」そう。そのため、「セールはしないというか、できない(by珠水さん)」とのこと。その分、「始めからお客様に還元する」というのが「初代から続く教え」なんだとか。

ここで企画担当の鈴木裕子(ゆうこ)さんにもお話を伺うことに。鈴木さんは横浜出身。フクゾーに勤務し、約30年。“まさに歴史を知る”という方なのだ! 「フクゾー」に入った第一印象は色とりどりの服が並んでおり、“明るい雰囲気”。「明るく健康的なのがうちのモットーなの」と鈴木さんが答えてくれる。

店内には明るい色合いの服が並んでいる
 

フクゾーが創業した当時は終戦直後。進駐軍は明るい色合いの服を着ていた。そこで初代は「日本人にも明るい色合いの服を」と思ったんだとか。

イエロー・グリーン・レッドなど鮮やかな色合いが目を引くニット
「外で来ても美しく見えるか」そこまで計算されて新色を決定しているとは!
 

企画担当の鈴木さんは、新しくどんな色の服を販売するか考案するそうだ。その際に「外へ行き、色合いを見るの」と教えてくれる鈴木さん。元町商店街にはアーケードがない。なので、「“自然の光”を受けて美しく見えるか」を考えるそう。

また、“汽笛のにおいや海のにおい”、“船が着いたら外国の船員さんがやって来る”という、「元町の土地柄」が商品にも反映されていると答えてくれる。思わず「なるほど!」と唸ってしまう。