2. お肉の質を決めるのは「育ち方」

EPA(日豪経済連携協定)の締結によって、スーパーなどで割安な豪産牛肉を見かける機会が多くなりました。アメリカやオーストラリアでは、家畜に「ホルモン剤」を投与することが認められています。家畜をみるみる成長させ、“効率的”に生産し、収益を上げることができるからです。

ホルモン剤の安全性評価は十分になされていないため、日本では使用が認められていませんが、いろいろな経緯で輸入されてきた食肉は、“安くてそれなりに旨い肉”として、今後もますます国内に流通していくとみられます。

外国産に限らず、安い食肉は密度の高い場所で“大量生産”されます。あまり衛生的とはいえない環境で窮屈に育てられると、家畜が病気になったりするため、それを防ぐために「抗菌剤」や「抗生物質」が使われます。(農家の方もそうですが、生産者の方の健康も懸念されます)

また、多くの家畜の餌には、「遺伝子組み換え」や「残留農薬」といった問題を含む、菜種や大豆、トウモロコシなどの安価な輸入作物が使われているという点も、覚えておきたいポイント。やはり、できるだけ伸び伸びとした環境で、質のよい餌を食べて育ったものを選びたいところです。
 

3. 魚は「新鮮さ」で選ぼう

魚介類には養殖ものと天然ものとがあります。比較的値段の手ごろな養殖の魚介には、病気を防ぐための「抗菌剤」や「抗生物質」が使われます。では、天然の魚はというと、陸から流れ出た汚染物質や水銀の蓄積といった懸念材料があります。食物連鎖により、マグロなどの大型の魚は、有害物質を凝縮しながら体内に蓄積していきます。

また、魚には身体によいDHAやEPAなどの「不飽和脂肪酸」が含まれていますが、傷みやすいのが難点。空気に触れることで酸化し、身体に有害な過酸化脂質が発生してしまいます。(そのため、干物などには酸化防止剤や、保存性を高めるためのPH調整剤などが使われる場合があります)

ほかにも、「ネギトロ」「明太子」「シーチキン」と加工度がアップするにつれ、さりげなくたくさんの食品添加物が使われていたりします。健康のためにたくさん食べたい魚介類。とりあえず、「イキのよさそうなもの」を偏りなく選んでいくのがベターです。