『くるみ割り人形と魔法の王国』2018年11月30日公開 © 2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

4. クララ役:マッケンジー・フォイの魅力

アニメーション映画が、現実にはあり得ない空想の世界を見せてくれるなら、実写映画は、役者の魅力、その息づかいすら感じられるリアリティが最大の特長。

『シンデレラ(2015)』のリリー・ジェームズも、『美女と野獣(2017)』のエマ・ワトソンも、あれは彼女たち役者の魅力そのものが、役柄をより魅力にしています。

『くるみ割り人形と秘密の王国』主演のマッケンジー・フォイも、ビジュアルだけでなく、一挙一動に至るまで、最高に魅力的なひとり。

演じる、クララのキャラクター造形も、近年の自立したディズニー・プリンセス像に寄っていて、小気味よいものです。

描き方もうまいため、心の動き、浮き沈みが手に取るようにわかり、きっと共感できるでしょう。

また、映画俳優としてほとんど無名ながら、クララの相棒キャプテン・フィリップ(くるみ割り人形の衛兵)役に抜擢された、ジェイデン・フォーラ:ナイトの存在にも、とても心動かされました。

5. あたたかな読後感のクリスマスの物語

ほとんど誰もに『くるみ割り人形と秘密の王国』をおすすめできる理由は、家族がテーマの物語であるからです。

父親や母親に特別な感情(ポジティブなもの、ネガティブなもの、どちらも)を抱いている人は、特に思うこと、感じることの多い映画になるでしょう。

(強いて言えば、親に対して執着がそれほど(いい意味で)なく、自身に子どもも生まれていない場合は、そこまで響くものはないかもしれない、とも思います)

欧米式の “家族で過ごすクリスマス” がたっぷり詰まった、読後感のとてもあたたかな物語。満ち足りた気分になりたいなら、文句なしにおすすめできる映画です。

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