みなさんは普段、「男女格差」をどれくらい感じていますか?

世界で妊娠・出産・中絶が原因で命を落としている女性たちへの支援の輪を広めるため、ファンランイベント「WHITE RIBBON RUN 2019」を開催した国際協力NGOジョイセフは、本イベントの参加者のほかSNSフォロワーの20歳以上の女性に対して「女性のエンパワーメント」に関するアンケート調査を実施。

結果、約83%の女性が「日本に男女格差があると思う」と回答し、約44%が、「日本において女性は自分の人生を、自分の意思で選択しにくい」と回答しました。

仕事上のキャリアや育児のシーンなどで自由に選択できないと感じる女性は多いようです。

育児中のママとしては、「女性ばかり家事や育児をやっている」「男性と比べて自分の意思で働く・働かないを決めにくい」などの男女格差を感じていることもあるのではないでしょうか。

このような普段の生活の中で妻が感じる、夫への思いについては、どうやって伝えていくのがいいのでしょうか?

長年の経験の中で、3万人以上の夫婦や家族のカウンセリングをしてきた横浜心理ケアセンター 代表 椎名あつ子カウンセラーに解決策をお聞きしました。

夫への不満、うまく伝わらない原因は?

子育て中、妻が夫に対して持つよくある思いと言えば、次のようなものがあります。

「パパにもっと家事や子育てに積極的になってほしい。自分ばかりやっている……」
「私も外に働きに行きたいのに……」

これらの思いは、パパにどう伝えれば、夫婦円満にいくのでしょうか? 椎名さんは、これらの思いを受けて、次のように話します。

椎名あつ子さん(以下、椎名)「私は長年、夫婦関係のカウンセリングを行っており、自分も子育てを経験していますが、やはりまだまだ男性社会で、男女格差は感じます。

ただ以前と比べて保育園も増えていますし、父親も育児休暇を取得できる時代になり、子どもを夫婦一緒に育てる環境は整ってきていると思います。しかしまだまだ足りないというのは正直なところです。

ですから、これらの思いを持つのはよく分かります。それを解決し、夫婦円満になるための方法を考えていきましょう」

1: 被害妄想的になってしまっている

椎名「まず、気になるのは『自分ばっかり』というところ。

もしかしたらそれは妻の被害者意識かもしれません。夫婦円満に行くためには、夫婦でしっかり話し合うことが必要です。

しかし『私ばっかりやってるから、あなたも少しはやってよ』などと不満をそのままぶつけてしまうと、夫は『俺だって働いてるよ』と言いたくなってしまいます。

それではコミュニケーションになりません。しかも『そうだよね、君ばっかりやってるよね。ごめんなさい。僕も手伝うよ』と返してくれる男性はほぼいません。

たしかに男女格差はありますが、『女はすごく損してる』という考え方を持ちすぎてしまうと、被害妄想的になってしまい、うまく話し合いが進みません」

2: 本音や文句を愚痴っぽく口にしてしまう

椎名「そもそも本音と不満は違うこととして、分けてとらえてみてほしいと思います。不満は、そのまま伝えてはだめ。どういう風に伝えるかという、『言い方の工夫』がとても重要です。

もちろん、『疲れたー、今日はご飯作りたくない』という本音はそのまま伝えてもいいと思います。また『もっと愛してほしい』とか『もっと話を聞いてほしい』『感謝してほしい』『私を認めて欲しい』『優しくしてほしい』などの本音の気持ちも素直に伝えるべき。

でも、『自分ばっかり』『なんでやってくれないの?』などの文句や不満をそのまま伝えてしまうと、その裏にある本音はまったく伝わりませんし、男の人は防御態勢に入ってしまいます」