瀧本さんは自著『戦略がすべて』の中で、ご自身の経験から「部活体験が行動に影響する」と感じたそうです。

例えば、瀧本さんの学生時代の部活に、「ミスを許さない」という方針の運動部があったそうです。

チームの方針ですから皆、その通りに戦おうとするのですが、毎日そのように過ごしているとだんだんとリスクのある勝負を好まないようになり、自然と安全策を重視するように。
罰走や体罰がある場合はその色が濃くなります。

その部活は人気スポーツで、多くの選手を抱えていたにも関わらず、なかなか上位に行くこともできずに成功体験を得られることはできなかったそう。するとどうなるか。

「超のつくほどの大企業に入社し、大出世はしていないが、組織の中で安定した地位を得るというキャリアを選んでいる人が多かった。悪く言えば、とてもリスク回避的なキャリアである」と瀧本さんは同書でふり返ります。

また、瀧本さんのご経験によると、数ある部活のなかでも、ラグビー部の方は上記のメンバーと異なるそうです。むしろ、真逆。
霞が関から外資系企業に移り買収ファンドで働く者、美容整形外科医として働く者、フリーで仕事をする者も多く、様々な業種で出世しているのです。

彼らは挫折や方向転換に強く、逆境をはねのけて柔軟に活躍。確かにラグビーは、他の競技とは違って一度ゲームが始まると、監督の指示を待たず自分で判断し、状況を打開する必要があります。また、倒されても倒されても、起き上がり自分の仕事を見つけることが彼らの基本姿勢ですので、粘り強さはその当時に養われたのかもしれませんね。

変わるべき、部活動の選び方

私の場合は、大阪府の公立高校でサッカー部に所属。筆者の経験からすると、大阪府3位に入賞した時のメンバーは、わりと積極的に今もチャレンジしているという印象があります。
マーケティング会社の代表になったり、マスコミ業界でそれなりの地位でキャリアを築いたりと。そういう意味では瀧本さんの仮説には頷けるものがあります。

以上のことから、学生時代の部活の経験は、社会人になった時に所属する業界や、その中でのポジショニング、部門など何かしらの影響を与えているように思えます。

ですので、チャレンジすることを肯定し、人間的にタフになれ、成功体験を得やすい部活に入れることができれば、皆さんのお子さんも社会に出てから活躍されるのではないでしょうか。

そのことも考えて進路を選ぶ際に部活のチェックをされている親も多いことでしょう。筆者もいわゆるスポーツの伝統校という学校にはポジティブな印象をもっています。

しかし、昨今の世の中の流れが変わり、そういった部活での行動がそのまま社会になっても好影響を与える時代は、そろそろ終わりに近づいているのかもしれません。