歴代最長8年間、現役音大生だった“たくみお姉さん”の魅力
交代会見に出席したたくみお姉さんは「こういう記者会見が、私は2回目、あつこちゃんははじめてなので、とても緊張しています。よろしくお願いします。」と挨拶されました。
現役音大生だったたくみお姉さんが、20代目うたのお姉さんに就任したのは2008年です。
今回の卒業はたくみお姉さん自身が希望したとし、その理由として「8年間やっていくなかで、本当にたくさんの経験をさせていただけて、たくさんの子どもたちと出会うことができて、自分の中でやりきれたなぁという思いから、つぎのお姉さんにバトンタッチしようと思いました。」と静かに語りました。
「テレビを見てくれた子どもたち、スタジオに来てくれた子どもたち、ロケで出会った子どもたち、いままで応援してくださったみなさんにありがとうの気持ちでいっぱいです。」と想いを紡いでいくたくみお姉さんの言葉に、たくさんの思い出が蘇りました。
当時の私は新米ママで、育児、仕事、家事と慌ただしく過ごしていましたが、「なにやってるの! 」「はやくしてよ! 」と、子どもに投げつけそうになる鋭い言葉たちを打ち消して、笑いかけることができたのは『おかあさんといっしょ』があったからです。
子どもをテレビにあずけ、ガチャガチャと食器を洗っていても、水音の奥からたくみお姉さんたちの歌声と楽しそうな子どもの声が聞こえてきます。
子どもにたくみお姉さんの魅力を聞くと「おうたがじょうず! 」と教えてくれました。
『おかあさんといっしょ』の楽曲や唱歌・童謡はもちろんのこと、『エーデルワイス』『オー・シャンゼリゼ』などの名曲も心地よく歌いこなすたくみお姉さん。
2010年10月の月歌『まほうのとびら』で披露した、だいすけお兄さんとのハーモニーは絶妙でした。
会見でも「だいすけくん、ネクタイ曲がってるよ」と声をかけるたくみお姉さんや、涙で乱れたメイクをそっとなおすだいすけお兄さんなど、2人の仲睦まじい様子が垣間見えました。
8年間の思い出を聞かれただいすけお兄さん、たくみお姉さんは、同じエピソードをあげ、子どもたちに歌を届けていく中で「どうしたら子どもたちに届く歌を歌えるだろうかと、心に寄り添うことができるだろうか。」とお兄さんお姉さんたちで話し合いを重ねて、笑ったり、泣いたり、時には怒りながら意見をぶつけたりした日々のことを、目を赤くしながら語っていました。
だいすけお兄さんに、まっすぐな性格と紹介されたたくみお姉さん。
はじめは苦労の様子が見られたダンスも、今では指先まで美しく、番組内のコーナーやコンサートでは、変顔やコミカルなお芝居も披露し。歌以外の部分でも大活躍し、視聴者を笑顔にしてくれました。
会見では時折大粒の涙を流し、たくみお姉さんのこれまでの努力と楽しかった日々、みんなでつくりあげてきた番組への想いが伝わってくるようでした。
たくみお姉さんらしい言葉で、あつこお姉さんにエール
気がつけば、現役音大生だった新米うたのお姉さんは、8年間おかあさんといっしょに出演し、在任期間が歴代最長タイとなるうたのお姉さんとなっていました。
番組卒業後は、芸能事務所などには入らず、ゆっくり過ごすとしたものの、2016年春にNHKホールに行なわれる『おかあさんといっしょ ファミリーコンサート』にはゲスト出演をすると発表しました。
会見の最後には、涙を拭き、いつもと変わらぬ笑顔になったたくみお姉さんは「これから本当にたくさんの子どもたちと出会って一緒に歌っていく中で、一緒に歌うことがとっても楽しいことだなって思うんですけど、それ以上に子どもたちとお話したり、子どもたち同士で話している姿を見たり、本当に面白いことがたくさんあるので、いっぱい楽しい思い出ができるのかなぁと思います。…それから、くれぐれも身体には気をつけてがんばってください。」と、子どもたちとの関わりを大切にしてきたたくみお姉さんらしい言葉で、あつこお姉さんにエールを送りました。
たくみお姉さんの今後の幸せを強く願ってしまう、心あたたまる交代会見でした。
2016年4月4日からは、あつこお姉さんとともに、子育てを楽しんでいきたいですね。