教師が教えないため、代わりに教壇に立つのは……、そう生徒自身。

生徒がペアを組んだり、グループを組んだりして授業を展開。その間、教師は教室の後ろにおり、その展開を見守っているのです。

教師は見てるだけ!? 「教える」では身につかない学力

教師から与えられたテーマについて、生徒同士が英語でディスカッション。予めテーマが決まっているので、担当者グループは、それに関する情報やデータを事前に集める必要があります。

そして、グループで議論しながら発表するのです。

教師が一方的に教える授業ではなく、生徒同士でフォローし合いながら学ぶので、より内容を吸収するのです。

また、発表で自分のパートがあると、チームメイトに迷惑をかけないために、授業への集中力が高まるのです。

この「教えない授業」は、文科省提唱の「アクティブ・ラーニング」の手法で行われています。「生徒の自立を促し、学ぶ楽しさを実感させることで結果として成績を伸ばす授業」とも言えるでしょう。

AI時代に向けた、“能動的”な学び方

「授業で自然と英語が身につき、中3で英検準1級を取りました(高3男子)」

「答えを教えることをやめたら、生徒たちがグループ学習で課題をどんどん解決していくのです。驚きでした(生物科教師)」

「娘に『勉強しなさい』と言ったことは一度もありません(保護者)」

「能動的に動くことがこんなにも楽しいとは思いませんでした(高3女子)」

実際にこのタイプの授業を行う山本崇雄さんの著書『なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか』では、様々な効果が紹介されています。

変わりゆく未来に対応するために、コミュニケーション能力の高い人材を育てる手法だと言えるでしょう。

能動的に考え動くための教育は、家庭のなかでもできるかもしれませんね。ぜひ、皆さんも「教えない授業」を取り入れてみてはいかがでしょう。