3.「資源」をフル活用し、苦労をなくす

「苦労している、と感じたことはほとんどないかもしれません。これまで努力して経済力をつけてきたので、息子ひとりなら私ひとりの力で十分、大学まで行かせられる自信があります。

多忙なときは近くに住む母に手伝ってもらったり、ベビーシッターに頼んだりしています。

私にはそういった頼れるリソースがあり、恵まれていると思うのですが、経済力と“使えるものは使う”精神があれば、そう困らないと思います」(34歳/金融)

一方で「苦労を感じていない」との声も。

未婚の母になる道を主体的に選択するならば、あらかじめ「資源」を計画的に準備しておくことも大事なことなのでしょう。
 

続いて「離婚した母」に話を聞いてみました。

4. 運動会などのイベントで、子どもに寂しい思いをさせてしまう

「運動会や発表会などの行事には、多くの家庭が夫婦で見にきます。かつて私たちもそうでした。

離婚後は子どもに寂しい思い、複雑な思いをさせないよう、夫の代わりに私の弟や従兄弟に来てもらっています。それについて子どもは何とも言っておらず、今もなお本音は聞けずにいるのですが」(33歳/飲食)

これまで学校に姿を見せていた父がいきなり来なくなった……。子ども心としてもそれは複雑であるはず。

できるだけ「今まで通り」の状態を整えるのが良いのか、それとも「ありのまま」の状態を受け入れてもらうのが良いのか、母として頭を悩ませるところになりそうです。

5.「お父さんがいなくなった」ことを説明するのに、気を使う

「6年前に離婚したとき、子どもが周りの子から『お父さんいなくなったの?』とイジメられた、というほどではないのですが、つっこまれてツラい思いをしていました。そんなときのフォローに悩みましたね。

とくにうちは地方の小さい町なので『母親が離婚した』という話は噂として広まりやすく、周囲の同情や好奇の目も集めやすいんです。

お父さんがいなくても何も欠けていないし、お母さんはあなたのことを守るし、世の中にはいろいろなおうちがあるんだよ、と子どもにわかりやすく、丁寧に伝えることには心を砕きました」(30歳/アルバイト)

2と似ていますが、とてもデリケートな話題。そのときどきの状況を見ながら、適切で誠実な説明をすることが求められそうです。

当然のことながら、父親のいる家庭でも、子育てに大変な思いをしているお母さんは少なくありません。皆、それぞれの苦労と向き合って、一つひとつ解決しようと懸命に努力していることが伝わってきます。

問題が出てくる度にベストな解決策を導き出したいものですね。

フリー編集者・ライター。岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。